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中古車レンタカーなるビジネスが注目されています。通常のレンタカーは、新型車をレンタルするのが一般的ですが、中古車レンタカーは、文字通り「中古車」をレンタルするビジネスで、新型車レンタルよりも低価格がユーザーに受けて着実に伸びています。

 
 中古車レンタカーの概要
 

 中古車レンタカーは当然ですが、新型車レンタカーよりも低価格でレンタルすることができ、気楽に使えることも相まって、ビジネスが拡大しています。本年4月に伊予銀行が行った愛媛県内のユーザーアンケートによると、中古車レンタカーの認知度は、カーシェアリングよりも低い(49.1%)ですが、利用意向は、カーシェアリングの3倍近い16.8%もあります。
 こうしたことから、最近、中古車レンタカーの全国展開に乗り出すFC店が増えています。弊社調べですが今現在6社がFC事業を行っています。うち2社が最近会員募集をスタートしました。その他に年内をめどにもう1社が会員募集を始めるといいます。
 いずれにしても、カーアフター業界においては、中古車レンタカーが旬な話題となっています。
 中古車レンタカーは、ワンズレンタカーが3年ほど前にビジネス化し、SSをターゲットに加盟店募集を開始ました。その1年半後にニコニコレンタカーが基本的にワンズレンタカーと同じ仕様で事業化し、募集を始めSS業界のシェア争いになるほどの勢いで拡大しています。その後、イツモレンタカー、バリューレンタカーと続いて事業化しています。今年に入って、100円レンタカー、アルルレンタカーが参入し現在に至っています。
 ティオが調べた各社のイニシャルコストとランニングコストは以下の通りです。

ワンズレンタカー
ニコニコレンタカー
イツモレンタカー
バリューレンタカー
100円レンタカー

※各条件や金額等は09年10月15日時点弊社調べ(詳しくはそれぞれの会社にお問い合わせください)

 SSから拡大したのは、中古車レンタカーが燃料販売と似た対応ができるからです。SSは、油外収益拡大のために、車検整備や車両販売に参入しましたが、多くのSSが中途半端な状態です。車検や車両販売は「説明商品」です。店頭で商品特徴や書類、手続きなど様々な説明が必要です。この説明が上手くできないと、顧客は購入をしてくれません。ここがSSで上手にできないところで、どれも中途半端に終わっているのです。
 ところが、中古車レンタカーは、ネットで料金等を確認し申し込みしたお客さまが来店され、ややこしい説明や、面倒な書類などがありません。また、既存の設備等も使えるなどSSの特性に合った商品といえるのです。
 しかし、中古車レンタカーの商品特性を見ていくと、中古車としての車両が必要です。また、中古車レンタカー車両を販売するケースも出てきます。こうしたことから、SSよりも中販店や整備工場に導入メリットがあると、着目したのが「100円レンタカー」であり「アルルレンタカー」です。


 
 100円レンタカーの概要
 

 今回ご紹介するのは、今月より加盟店募集をスタートさせたばかりの株式会社カーベルが運営する「100円レンタカー」です。
同社は、中古車販売店や整備工場を中心に、車両販売や整備メニューなどの商品開発、金融商品開発(残価型ローンなど)、新車斡旋販売、中古車共有在庫ネットワークの提供などを通じて、車両販売支援や整備入庫支援を行う全国チェーン本部です。
 チェーン組織でも、同社は「ボランタリーチェーン(VC)」で、本部からの縛りがそれなりにきついフランチャイズチェーン(FC)ではありません。VCにした理由を、伊藤社長は、パートナー店(同社の加盟店)の個性を尊重し、パートナー店の特徴が発揮できることを、様々に支援することがカーベルの役割だといい切ります。
 そうした方針が支持され3年間という短期間で400社を超える組織になったといえます。目標の500店舗が見えてきた今、新しい支援策として中古車レンタカーに着目し、システム開発に約1年強かけたオリジナルシステムで加盟店募集をスタートさせました。募集は、当面パートナー店に導入を呼びかける方針です。
 同社の中古車レンタカーは、その名も「100円レンタカー(商標登録済み)」です。基本的な料金体系が10分で100円、からネームを考えたとのこと。ネーミングのインパクトは強烈なものがあります。分かりやい料金を、ネーミングにしたところがポイントになっているといえます。
 100円レンタカーの特徴は、
  ・イニシャル&ランニングコストが低額であること
  ・オリジナル運営システムである
  ・コールセンターがワンストップ処理できること
です。各社のビジネス詳細の通り、イニシャルコストは加盟金や研修費、システム設定費用などオール込で30万という料金設定です、とても良心的といますか、導入しやすい料金です。さらに、ランニングコストにおいて、レンタカーの台数に応じて加算する台数加算がありません。また、システム利用料などの別途費用も必要なく、これもオール込で3万円です。このランニングコストは、固定費用として必要になるもので、これこそ安いに越したことはありません。イニシャルコストが高いということは、それだけレンタカーの貸し出し稼働率を高めなければ利益が出ないことになるので、ある意味イニシャルコストよりも吟味する必要があります。
 特徴の2つ目は、オリジナルシステムであることです。最初は、OEMで導入しようと考えたそうですが、やりたいことがシステムにないことや、システムを簡便に自由に改造できないことがネックとなり、自社開発をしたとのこと。その分、オリジナリティある、使いやすいシステムに仕上がっています。
 例えば、予約は、電話およびネット予約はもちろん、携帯やFAXからの予約にも対応しています。また、稼働車両の管理など、運営店舗がレンタカー事業を円滑に管理しやすいシステムに仕上げています。
 3つ目の特徴は、コールセンターがワンストップ対応できることです。100円レンタカーのコールセンターは、あいおい損保のコールセンターと業務提携する形で運営され、事故や故障時のレッカー依頼、レンタ会社への連絡などの対応をそのコールセンターで一括して行うことができます。これは、お客さまにとってはとてもありがたいことで、用件ごとに再コールの必要がありません。
 運営および接客ノウハウは、同社直営の中古車販売拠点に、「100円レンタカーコーナー」を設け、2か月を超える期間で様々なノウハウを蓄積し、それを持って加盟店にきめ細かい指導を行うとしています。ゆくゆくは、直営店を研修所にして、実地習得の場にしたいと計画しているとのこと。
 直営店では、レンタカーを5台(コンパクトカー3台、1BOX車2台)用意し、3台は展示車を「わ」ナンバー登録、残り2台は別途仕入れしたとのこと。2か月間の貸し出し平均稼働率が34〜40%程度あり、あまり宣伝していない割に予想を超える好調な実績、と伊藤社長は胸を張ります。
 取材当日も、40歳後半の男性客が、「100円レンタカーって、本当に100円で借りられるの?」と飛び込こんできました。マイカーはあるが、親の介護の送迎で使うので、新型車でなくてもいい、安い方がいいということで、説明を受けて、納得して帰って行きました。
 オープン僅か2か月にも関わらず常連客がいるといいます。そのお客さまは、週に2から3回ほど借りに来るそうです。用途は、子供送迎と、送迎のついでの買い物だそうです。このお客さまは、女性客だそうですが、マイカーはあるものの、利用時間がご主人と重なるために、中古車レンタカーを利用しているそうです。2か月間の統計でみると、お客さまの半分少々がマイカー保有客だそうです。
 さて、ビジネスとしスタートするには、投資としては、告知のための看板関係です。それ以外は既存の設備等が流用できますので、初期投資はさほど大きい額にはなりません。
レンタカーにする車両は、在庫車や代車代わりに使っていた下取車を流用します。したがって、この面の投資も基本的には必要ありません。当然、在庫車等にレンタカーにふさわしい車両が無ければ、仕入が必要となり、初期投資はその分膨らみます。したがって、手持ち車両を極力転用する形でスタートすることです。伊藤社長も、それで十分。むしろ我々の狙いもそこにあるといいます。
月間の売上は50万円前後。1日12時間営業だとすると稼働率は34%〜40%です。やや低い感じがしますが、本格的な宣伝をしない中でのことを考えると、むしろ高い方ではないでしょうか。 
レンタカーが販売に結び付いた例もあるそうです。中古車レンタカーは、大きく利益を稼ぐビジネスではありません。台数を二桁三桁と増やせば可能でしょうが、それでは、レンタカー会社になってしまいます。中販店や整備工場が導入するのは、あくまでもサイドビジネスであり、既存客へのサービス拡充の一環です。したがって、人件費等を賄って、マイナスにならなければいいと考えるべきではないでしょう。
むしろ中古車レンタカーを通して、車両販売や車検に結び付けていく、一つの入り口として位置付け、ビジネス展開をすることです。取引が無いお客さまからすると、中販店や整備工場の敷居は、カーショップやSSから比べると高いイメージがあります。そのイメージを、中古車レンタカーを始めることで下げる、ここにも価値があるのではないでしょうか。

 
 中古車レンタカーの真の狙い
 

 中古車レンタカーを始めるメリットは、前述のとおりですが、それ以上に検討すべきことがあります。それは、長在車の払拭と、資金のフロー化です。商品として仕入れた車両や、下取車は「資産」としてBS(Balance sheet)に計上します。このことは、資金を寝かすことになります。しかし、レンタカーとして登録すれば、減価償却の対象となり、PL(Profit Ross)に計上することになります。つまり、費用化することができるのです。
 仮に法定償却年済みの40万円の長在車を「わ」ナンバーにすると、おおよそ2年(※)(法定耐用年数6年―経過年数6年+(経過年数6年×20%))で減価償却します。
 ※1年未満は切り捨てで、なおかつ2年未満に関しては2年とする。
 年間20万円の減価償却費が費用として計上することができるのです。5台保有したとすれば100万円の計上となります。100万円の利益を車両販売で得ようとすれば、7台から10台を売らなければ追いつかない金額です。
 一方でレンタカー収益がありますから、両方からキャッシュフローを改善することができます。キャッシュフローが増えた分で、新しい展示車の仕入れ資金にしたり、運転資金に回すこともできます。
 長在車をAAで販売しようとすれば、赤字覚悟で臨まなければなりません。しかし、「わ」にすれば、赤字を切るまでもなく、売上と費用化で回収することができるのです。これは、中販店や整備工場にとっては、コロンブスの卵に匹敵する大発見で、中古車レンタカー最大の魅力といっても過言ではありません。
 保有台数が減少し、保有の長期化が伸びる昨今、何もしないことは衰退を意味します。経営目標を達成していくためには、お客さまに「仕掛けていく」アクションが必要です。 そのアクションの一つが「中古車レンタカ」ではないでしょうか。

 
問い合わせ先:
株式会社カーベル
 〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町9−8 アーネストビル7F
 TEL:03-3249-2011 FAX:03-3249-2012