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VOL.21  補修範囲を小さくするための鈑金技法その1

今回は、初めて内容を鈑金作業だけにしぼってご案内いたします。その中でも補修の範囲を小さくするための鈑金技法について書いてみたいと思います。

普段鈑金作業をされている方で、最近の新しい車種や、低価格の車で困っている人は、多くないでしょうか?
時代や技術革新などにより、鉄板の性質や特徴が変わっていき、薄くても、張りがある鉄板が多くなっていますよね。キャビンを守るために、骨格は鋼のようになり、外板パネルやその他の部分は、軽量化のために、薄く薄くなってきています。
軽量化のために、外板パネルでは、高張力鋼板やポンデ鋼鈑など、色々あるでしょうが、どの車種も外板に関しては、同じだと思います。

その弊害として、修理時の作業性が以前に比べると、格段に悪くなってきています。
「昔の車両なら、そんなに苦労せず、たたき出せたのに、今は伸びちゃってしょうがねーや、」なんて声を多々聞きます。

実際私自身も、下手な技術でなんとかごまかして、ハンマリングしてきたのですが、もう限界だなと、最近思うようになりました。理由は、鈑金技術者として、一番技術を必要とし、実は一番時間短縮ができ、作業範囲を小さくすることが要求されるのに、たたけばたたくほど、範囲が広がり、作業時間がかかってしまう時が、少しずつでてきたからです。

さてそれでは、その修理をどのような技法を使って、補修範囲を小さくするための、具体策についてご案内します。

1. デントツールの上手な利用
ここ何年かで、かなりメジャーになった技法ですが、これも鈑金の技術の一つとして、利用します。凹んでいる部分をデントツール(写真1)で揉みだし、完璧ではなくとも、次の工程(パテやサフェーサー)での歪みとりを極力少なくします。

皆さん色々な道具を想像するでしょうが、工具はなんでもいいと思います。上手にあて板を利用したり、ハンマーの柄の部分を利用したり、なんでもありです。

また、工具の入らない部分は、デントブロック(写真2)や、接着剤を上手に利用して、少しでも多く出せれば、十分だと思います。

お客様は、あくまで鈑金塗装を依頼して、車を預けてくれるのですから、完璧なデントは求めていないですよね。ですから、デントも塗装をしないように、完璧に仕上げなくてもいいのです。あくまで鈑金の技法の一つただそれだけです。





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