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Vol.10 請求書へのメッセージ2


 皆様こんにちは。「検査員ヒデ」でございます。
 梅雨に入って、これからの季節はうっとおしい毎日になってきますね。
  ところで、3月〜5月の車検や整備はどうでしたか?当社は、車検台数は前年度比で5%程アップしました。徐々に台数が増えているのですが、中々「パーット」大幅には増えませんね。車両販売は、当社でもそうなのですが、新車・中古車とも低空飛行で進んでおります。色々な策を講じても契約に行き着くところまでは行きませんね。
  ディーラーの営業マンに話を聞いても、各営業所も台数が伸び悩んでいるみたいです。しかしながら、車両台数は全国的にみても、増えているみたいですから、結局は、お客様が新車や中古車に乗換えをせず、車検をしているから日本の車両保有台数が伸びている事となります。また、車検を全国的にしている訳なので、日本の保有台数の内、年式が全体的に古くなっている事にもなります。

さて、前回同様今回も「請求書へのメッセージ」を現場の知恵で取り上げてみました。前回は、請求書にメッセージを書くことによって、お客様からのクレームや対処が可能になります。と言う形でしたが、色々な意見を前回の「現場の知恵Vol9」以降整備工場様からの意見をいただきました。
一番多かったのは、
1.「めんどうだ。」
2.「メッセージを打つのに時間がかかる」
3.「請求書作成担当者と現場のメカニック(立会い等で話をしているメカニック)が違う」
4.「お客様立会いの下、お客様に直接言っているのでお客様が納得済みである」
と言う意見がありました。実際、自分でも最初の時点では確かに「めんどうだった」「メッセージに時間を取られる」「お客様立会いの下、お客様に直接言っているのでお客様が納得済みである」と思っておりました。しかし、前回でもご説明の通り、以前よりクレーム発生率が低くなりましたので、結果としてメッセージを記入した事が良かったと思っております。

 この度は、皆様の意見が多かった「めんどうだ」「メッセージを打つのに時間がかかる」事について、現在当社で行っているやり方をご紹介をさせて頂きたいと思います。
  まず、このやり方は、当社で使っているフロント業務ソフトは、整備業界の業務ソフトでは最大手の会社のものを使っています。以前からのバージョンアップということもあり、当社では使い勝手が一番良いのではないかと思います。
  この業務ソフトの中の請求書作成画面にて、メッセージの挿入をマウスで操作する方法ですが、現在、請求書などの作成には、「登録番号入力」→「主コード入力」→「入力補助」→「部位選択」又は「セット作業」の操作手順で行っています。この「部位選択」画面でメッセージ欄を作成することとなります。

 簡単にご説明しますと、「部位名称」欄に(メッセージ)「作業名称」欄に(大まかな区切り)「部品名称」欄に(必要なメッセージ)と分けます。後はクリックとダブルクリックにてメッセージを請求書に挿入をしていく訳です。
 この様にすると、メッセージを手間ひまかけて打つよりも、時間の短縮が出来ると思います。また、フロントマン(請求書作成者)とメカニック(立会い説明メカニック)が違う場合は、メッセージのコード表を作成して、コードだけを報告してもらえれば、請求書作成者は、コードを入力することによって、作業が短縮される事と思います。
  さらに本業ソフトの場合、「後日整備登録」が出来るようになりました。以前のバージョンでは出来なかったのですが、この度のバージョンアップで可能になりました。
  メッセージを挿入した場合、多分、ピンク色の文字にて表示されていると思います。この表の中の行を選んで右クリックをすると、「後日整備登録」が可能となります。この「後日整備登録」をすることによって、車検後の一台一台の車両の管理をお客様に変わって管理をしていく事となります。
例えば、
  平成10年、日産セレナ 走行87,300キロ の車両とします。平成20年6月に車検を行いました。
  車検で入庫してきて、お客様の立会いのもと、車検を行いました。立会い説明で、エンジンオイル、ブレーキオイル、A/Tオイル、デフオイル、エアーエレメント、プラグが悪い旨ご報告をさせて頂き、見積りもさせて頂きました。しかし、お客様の都合で、エンジンオイルとブレーキオイルは交換の旨をいただきましたが、その他の部分は「今後整備をしていく」と話になりましたので、エンジンオイルとブレーキオイルを交換して車検合格となりました。

 請求書へのコメントは、

  • エアーエレメントが汚れています。
  • スパークプラグが減っています。
  • A/Tオイルが汚れています。
  • リヤ・デフオイルが汚れています。
  • 低年式及び走行距離が多いので、定期的なメンテナンスをお勧めいたします。

としました。 
  この内容で「後日整備登録」を行うのですが、平成10年式で走行87,000キロですので、月平均600キロ程となります。この車両は、6ヶ月毎にエンジンオイル交換、12ヶ月毎に定期点検とオイル+エレメントの交換が一番良さそうだなと思われますので、「後日整備登録」を平成20年12月に登録をしました。

 この登録によって、平成20年12月に「後日整備登録情報」を呼び出す事が可能となりましたので、平成20年12月にお客様に「TELアプローチ」や「お車の調子伺い」、1年後には「買い替えチャンス」と言う形で管理が出来ます。実際、当社でも使っていますが、「TELアプローチ」の時に「以前○○が悪かったとお話をさせて頂いたのですが、交換はお済でしょうか?また、エンジンオイルの交換時期と思います。」と尋ねれば、お客様は結構感心して頂きます。「良く交換時期が分ったね。まだ交換していないんだ。近いうちにもって行くよ。」とお返事をいただきました。

 今までにGSやカーショップなどでオイル交換をされていたお客様が、車両の管理をする事によって、整備工場とお客様の繋がりが良くなっていけば、今後の代替のチャンスも生まれてくると思っております。
  皆様の工場でも、一度試されてはどうでしょうか?お客様により良い整備工場に向けて、一台の車両を一生涯管理して行く方法を今後も考えて生きたいと思っております。

検査員 ヒデ



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