Motown21トップ技術革新 > 作業現場の智恵:整備作業編
Vol.11 見せる化政策

 

 皆様こんにちは。「検査員ヒデ」でございます。6月、7月の車検、車販はどうですか?4月から6月にかけては車検台数や車販は毎年伸び悩みますね。7月に挽回しないと、8月のお盆の月は休みが多く営業日も限られてきますので、売り上げも下がってしまいます。
  前回「現場の知恵Vol9〜Vol10」では、請求書へのメッセージの書き方をご紹介させて頂きました。皆様の工場では試されましたでしょうか?請求書へのメッセージは、お客様のお車の情報を提示している事と同じですので、後日整備や点検整備を行う際の情報管理にも繋がりますのでお勧めいたします。

 今回ご紹介をさせていただく事は、「お客様に見せる化政策」です。これは、車検や点検、一般整備などでご入庫を頂いたお客様に、入庫時の車両状態の情報を、口頭だけではなく「視覚」的に伝える事です。皆様も、ご入庫して頂いた時に「お客様のお車は現状○○の状態です」と口頭で言っておられるのではないでしょうか?
  もちろん、お車が入庫時点で
  フロントマンが受付→サービスマンに指示→サービスマンが作業を実施→追加作業をフロントに指示→お客様への相談→作業指示→作業実施→請求書作成→納車(引渡し)
となっているのではと思います。
  当社でも同じような感じになっています。この「お客様への相談」の時に、お客様にお車の情報を伝えるにあたって、フロントマンや整備士などの「話だけ」でお客様が理解出来るでしょうか?同じ内容の事でも「耳」だけで聞くより、実際「耳」と「目」で確認できれば、追加作業のアピールに繋がるのではないでしょうか?もちろん、「耳」だけで聞いたときの納得感よりも「目」で確認したときの納得感は違いますよね。
  そこで、今回のご紹介なのですが、これは、最近自社で作った簡単な「見える化キャディー」です。お客様に「目」でアピール出来るように必要なものをセットしました。
ツールの一覧は、

  1. エンジンオイル用チェックスポイド
  2. オートマオイル用チェックスポイド
  3. クーラント用チェックスポイド
  4. パワーステアリングオイル用チェックスポイド
  5. ブレーキフルード用タンク

です。
  セットはいたって簡単で、オイル関係はゲージを抜いてからスポイドで吸引するわけです。
  クーラント、パワーステアリングについては、蓋を開けてスポイドで吸引して状態を確認します。
  エンジンオイル・ATFは、専用のスポイドでお客様に見られるように製作された物です。クーラント・パワステオイルのスポイドも同様に専用スポイドとなっております。専用スポイドの上部に新品のオイルが入っており、ゲージより古いオイルを抜くとシリンダの下部に現在の使用オイルが入ってくる訳です。セットの方法は

  右記の写真のように、セットをするのに1分もかかりません。全てセットしてからお客様にお話をするようにしても良いですし、お客様とお話をしながらセットも可能です。
  当社で主に行っている場面では、車検の際にお客様に立会い説明での使用頻度が多いですね。お客様の感想は「えーこんなに汚れているのー。」と言われるケースが多いですね。
  例えばエンジンオイルの交換をアピールしたいと思ってゲージを抜いて新しいウエスに「これくらい汚れています。」と言っても、新品のオイルがどの様な状態か分らないお客様もいらっしゃると思います。現に、「エンジンオイルは入っていたらいいんじゃない?」と言われたケースも多いです。しかし、この様なお客様にもこのツールを使ってご説明差し上げると「エンジンオイルは交換してください。」と、追加注文をいただきます。また、オイルエレメントの説明やエンジンカーボン除去の説明にも発展しやすいですね。
  「耳」と「目」で説明して、「この度は交換をしない」旨を聞いた場合は、必ず請求書の中にメッセージを記入して、再度お客様に料金をいただく時にもう一度説明をするようにしています。

 このツールのエンジンオイルチェッカーは大体6,000円〜8,000円位、LLCチェッカーは3,000円程度だったと思います。キャディーはホームセンターで簡単なラックを買ってきて改造して使っています。材料費で10,000円位かかりました。
  実際使ってみて気づいたことは、キャディーのキャスターを大きい物に変更した方が良さそうですね。工場内を移動する時に大きい方が溝などを越しやすいです。また、ラックはホームセンターのセット物を購入した方が30%位安いです。安いキャディーを改造しても良さそうでしたが、10,000円位の背の高いキャディーが見つかりませんでした。なお、クーラントチェッカーの土台は、2リットルのペットボトルをリサイクルして使用しています。使ったかぎりでは問題ありませんでした。

 皆様も一度試されてはどうでしょうか?「耳」で聞くよりも「目」で確認してもらう事で、現在の車検台数が減少する中で1台1台の作業単価を上げる事によって利益も多くなり、お客様にご納得感を与えられるのではないでしょうか?自分もそうですが、納得が出来ればお金は次となりますし、納得感が無ければお金がおしい気もします。一度お試しされてはどうでしょうか?

検査員 ヒデ