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第5回 トヨタ直噴 2GR―FSE型エンジン
レクサスGS350とIS350に搭載された新開発エンジンは、「筒内直接噴射」と「ポート噴射」の2種類の燃料噴射方式を最適に制御する新燃料噴射システム(D−4S)を採用し、高い動力性能とすぐれた環境性能を両立。低回転域から高回転域まで伸びのある加速を実現させています。


 ●高回転域まで爽快な伸びを実現したトヨタ直噴2GR-FSE型エンジン

●エンジンの概要
 トヨタ自動車鰍フ新ブランド「レクサス」の新型車「GS350」と「IS350」に搭載されている新型V型6気筒3456t直噴エンジンです。エンジン回転数などに応じて筒内直噴インジェクタとポート噴射インジェクタを最適制御する新燃料噴射システム(D-4S)を採用して、高い動力性能(最高出力は134kW/6400rpm、最大トルクは380Nm/4800rpm)と優れた環境性能(平成17年基準排出ガス75%低減レベル)を両立しています。
 そのほか、デュアルVVT-i(連続可変バルブタイミング機構)やローラーロッカーアーム(油圧式ラッシュアジャスタ付き)、ロングリーチイリジウム点火プラグ、高流量インテークマニホールド、斜めスキッシュ燃焼室、ステンレス製エキゾーストマニホールドなどを採用しています(図1、2)。


 



 ●新燃料噴射システムD-4S

このシステムは、各気筒それぞれに筒内直噴(直接噴射)インジェクタとポート噴射インジェクタの2系統の燃料噴射系を持っており、運転状況に応じて最適な燃焼状態となるようにエンジンコントロールコンピュータで集中制御しています(図3)。
 エアフローメータで吸入空気量を検出し、燃料噴射量を最適に制御します。燃料の噴射は、図4のようにエンジントルクとエンジン回転によって、それぞれのインジェクタの噴射範囲が決定されます。冷間始動時には触媒の暖機を促進するために弱成層燃焼による燃焼制御を行っています。図5は、燃焼制御を司るエンジンコントロールブロック図です。


         

 [成層燃焼の条件]
 冷間始動直後,膨張〜吸入行程でポート噴射用フューエルインジェクタ(図6)から燃料を噴射するとともに,圧縮行程後半に筒内噴射用フューエルインジェクタ(図7)から燃料を噴射して混合気を成層化(空燃比15〜16:1)することで,点火時期を大幅に遅角することができます。これによって,排気ガス温度が上昇して触媒の暖機が促進されるので。冷間時のエミッション性能の向上が図られます。

 [均質燃焼の条件]
 小〜中負荷運転時に,最適な燃焼状態になるように膨張〜吸入行程に噴射するポート噴射用フューエルインジェクタと吸入行程前半に噴射する筒内噴射用フューエルインジェクタを,両方または個々に使い分けることによって,均質な混合気を作るとともに噴射燃料の気化熱で圧縮された空気を冷却することで充填効率を向上させて高出力化を図っています。なお,高付加運転時や冷間時には,空燃比フィードバック制御は行われず,均質燃焼が行われます。