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第8回 ダイハツ新型軽乗用車用KF-VE型エンジン
このほど新しく軽乗用車ラインナップに加えられた「エッセ」に、ダイハツ工業としては20年ぶりに新開発した「KF-VEエンジン」が搭載されました。基本的には、現在トヨタのパッソやダイハツのブーンに搭載されている1KR型(1000t)エンジンの兄弟エンジンで、地球に優しい環境性能と軽やかに加速するパワーを両立したエンジンと言えます。


 ●主なエンジンスペックと性能

 エンジンの本質を追求したDOHC(ツインカム)DVVT(ダイハツ連続可変バルブタイミング機構)を採用した3気筒12バルブ660tエンジンで、TOPAZ NEOと命名されています。
 主なスペックは、総排気量が658t、内径×行程が63.0×70.4o、圧縮比が10.8、最高出力が 43kW (58PS) / 7200rpm, 最大トルクが 65Nm (6.6sm) / 4000 rpm です。なお従来のEF-VE型のスペックは、総排気量が659t、内径×行程が68.0×60.5o、 圧縮比が10.5、最高出力が 43kW (58PS) /  7600 rpm、 最大トルクが 64Nm  (6.5sm) / 4000 rpm となっており、特にロングストローク化が目立つ程度で、ほかは大差ないものになっています(写真1)。
 つまり新エンジンは、燃焼技術へのこだわりから低・中速域トルク(約5%向上)に優れるロングストロークを採用して、燃焼効率を向上しています(図1)。また徹底したメカニカルロスの低減(約30%)やインテークポート形状の最適化を図り、その結果エンジン単体燃費を約10%向上させています(いずれもEF型エンジン比較)。さらにアルミブロック(写真2・3)や新型コンロッドの採用(写真4)および樹脂部品の多用化による軽量化(クラス最軽量の47s)も車両搭載時の燃費に寄与して、5MT2WD車で26.0q/?,4AT2WD車で22.0q/?(10・15モード燃費)を達成しています。


 ●低排出ガス性能

 コンパクトな燃焼室を採用したことによりHC(炭化水素)を約75%低減したほか、DVVT(ダイハツ連続可変バルブタイミング機構)の最適化によってNOx(窒素酸化物)を約45%低減するなど、触媒以前の排出ガスを大幅に低減しています。さらに触媒早期活性化システム(図2)およびスーパーインテリジェント触媒(図3)を組み合わせることで、優れた低排出ガス性能を実現しています(2WD車は全車平成17年基準排出ガス75%低減レベル四つ星達成。4WD車は同50%低減レベルを達成)。なお全車平成22年度燃費基準+5%に適合しているので、グリーン税制に適合しています。


 ●スーパーインテリジェント触媒とは

 通常なら劣化していく触媒貴金属(パラジウム)に自己再生機能を持たせることで、安定した触媒性能を長く持続させることができるインテリジェント触媒を進化させ、ガソリン自動車用触媒に使用される3種類の貴金属(パラジウム,ロジウム,白金)に自己再生機能を持たせることに成功したのが、スーパーインテリジェント触媒です。これは高い排出ガス浄化性能を維持しながら触媒貴金属をさらに大幅に低減できるというものです。