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第9回 トヨタエスティマの6速AT
  このほど「スタイリッシュな高級ミニバン」というジャンルを開拓した「エスティマ」の三代目が誕生しました。このクルマは、先代の長所を継承しながら、あらゆる状況下で滑らかさを感じさせる動的性能を追求しています。そのため初めてV6 3.5L DOHCエンジンを搭載し、これに新開発の6速ATSuper ECT(マニュアル感覚のシーケンシャルシフトマチック付き)を組み合わせています。


 ●エンジンの特徴

 V6 3.5L(2GR-FE)エンジンは、コンパクトな設計で軽量化を図るとともに、運転状況に応じて吸・排気バルブの開閉タイミングを最適に制御するデュアルVVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)の採用してエンジン効率を高めています。さらに吸気系にはACIS(可変吸気システム)を採用して全域でトルクアップを追求しています(図1)。
最高出力206kW(280PS)/6200rpm、最大トルク344Nm(35.1sm)/4700rpmを発揮します。


 ●6SuperECTの特徴

 上記3.5Lエンジンと組み合わされるトランスミッションは、FF車としてはトヨタ初の6SuperECT(スーパーインテリジェント6速オートマチック)が設定されています(図2)。これはエンジンの性能を最大限に引き出すためにワイドレンジ、クロスレシオのギア比設定(変速比は、1速3.300、2速1.900、3速1.420、4速1.000、5速0.713、6速0.608)となっています。そのため従来の4速ATと比べて加速性能、燃費の大幅な向上に貢献しています。さらに6速ギア比を小さく(ハイギアード化)することで、高速走行時の燃費の向上と静粛性を実現しています。
 ギアトレインを二つのプラネタリによって構成し、クラッチの2段構造などで、各部のコンパクト・軽量化を図ったため6速ATとしては世界トップレベルの軽量化に成功しています。
 エンジンとの統合制御を実施することで発進や加速がレスポンスよくなりドライバビリティを高めています。また道路状況とドライバーの意志を読み取って自動的にシフトパターンを切り換えるAI-SHIFT(人工知能)制御を採用して快適な走りを提供しています(図3)。
 またニュートラル制御は、Dレンジでの停車時にトランスミッションの発進クラッチをニュートラル状態に近づけることで、エンジン負荷を低減して燃費の向上を図るものです(図4)。これに加えてロックアップ領域を拡大することで、大幅な燃費の向上を図っています。
さらに、このATでは減速時ダウンシフト制御を採用しています。6速あるいは5速状態でフューエルカットが復帰する前に6速から5速、5速から4速へダウンシフトすることでフューエルカット領域を最大限に広げ、低燃費に貢献するようになっています(図5)。