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第79回 三菱アウトランダーの予防安全技術 e-Assist(イーアシスト)

三菱自動車工業㈱のミッドサイズのSUV「アウトランダー」が、このほど7年ぶりにフルモデルチェンジしました。これからのSUVに求められる安全性・低燃費・上質感と走りや使い勝手など、様々な性能を高い次元で調和させたプレミアムツーリングSUVです(写真1)。




 このSUVには、三菱車としては初の先進技術"ぶつからない、はみださない"e-Assist(以下イーアシスト)を採用しています。これは、人的な事故要因を軽減するために電子制御技術(e)によって安全運転を支援(Assist)する技術の総称で、長距離運転や夜間・悪天候で視界のよくない場合など、比較的事故の起こりやすい状況でドライバーの安全な走りをアシストします。

 ●イーアシストの構成
写真2 イーアシストに採用されている電波レーダー(右)と車線監視用カメラ。  アウトランダーのイーアシストは、次のコンポーネントから構成されています(写真2)。
 ①電波レーダー:フロントグリルの内側に装着され、先行車を検知して車間距離や相対速度を監視します。検知範囲が広く(最大検知距離は約200m)、逆光や雨天、夜間走行時などでも検知能力が安定している電波(ミリ波の77GHz)レーダーを用いることで高い信頼性を確保しています。この電波レーダーは、レーダークルーズコントロールシステム(以下ACC)や衝突被害軽減ブレーキシステム(以下FCM)をサポートします。
 ②カメラユニット:フロントウインド上部に装着され、前方の車線位置を監視します。レンズが曇りにくくなるようにウインド内側に密着させてカメラを装着することで、高精度を維持します。また雨滴感応オートワイパー用のレインライトセンサ機能も内蔵しています。
 これらで得られた情報に基づきACCとFCMでは、エンジン・トランスミッション・ブレーキなどを統合制御して車両を自動で加速・減速・停止させることで、先行車との追従走行(ACC)や先行車との衝突回避または衝突被害軽減(FCM)をサポートします。またFCMと車線逸脱警報システム(以下LDW)では、警報や警告表示でドライバーに危険を知らせて安全の確保を図ります。


●イーアシストの機能
 事故の危険を検知してドライバーに知らせるとともに被害を予防・回避・軽減できるようサポートしますが、交通・天候・道路状況などのすべての運転状況をカバーすることはできません。またACC、FCMは車両に対して作動しますが、歩行者や2輪車などに対しては作動しません。
 ①ACC(図1):先行車との距離や相対速度を監視し、ドライバーが設定した車間(3段階に設定できる)を保ち、先行車の停止状態まで追従走行します。
図1 レーダークルーズコントロールシステム(ACC)の作動パターン。
この機能は,高速道路や渋滞時など加減速を繰り返すような状況で、頻繁にアクセルやブレーキを操作する煩わしさを解消。また先行車が加減速しても、ぎくしゃくしない上質な追従走行が実現できるように綿密にチューニングしています。
 ②FCM(図2):ACC同様、先行車との距離や相対速度を監視し、先行車の減速・停止による車間距離の減少を検知して警報や自動ブレーキで、先行車との衝突回避や衝突被害軽減に寄与。
図2 衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)の作動パターン。
この機能は、たとえば夜間や雨天・濃霧などで前方が見えにくい状況での安全走行をサポートします。目安としては、先行車との相対速度が約30㎞/h以下の場合、自動ブレーキで減速・停止することで衝突の回避を図ります。これは路面状況によって異なります。なお停止車両に対しては自車速度30㎞/h未満では衝突回避を図り、30㎞/h以上では警報で注意を促します。
 ③LDW(図3):車両前方の車線を監視し、高速走行時(約65㎞/h以上)に車線を逸脱しそうになると警報や警告表示によってドライバーに注意を促します。
図3 車線逸脱警報システム(LDW)の作動。
この機能は、たとえば方向指示器を操作せずに走行車線から外れそうになった場合など、ドライバーが意図しないで車線を変更する場合に作動します。なお狭い車線幅(2.6m以下)では、LDWの動作を一時停止するように設定されていますので、過剰に警告音が鳴ることはありません。