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新車新規登録でのワンストップサービス(OSS)が12月26日に一部地域でスタート


 12月26日から、東京、神奈川、愛知、大阪の4都府県で、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)がスタートする。まずは、新車の新規登録手続から適用が始まるが、08年からは、継続検査手続きへの適用もスタートする予定だ。
 自動車保有関係手続のOSSは、政府が掲げる電子政府計画「e‐Japan重点計画」などで最重要案件に位置付けられている。検討作業は99年から開始されており、ようやく実現にこぎつけた格好だ。
4都府県で稼動した後、06年4月からは埼玉、静岡で、12月から群馬県でサービスを開始する。さらに、順次適用地域を拡大し、08年には、全国的に運用が始まる計画となっている。
 ただ、OSSの普及に当たり、当面の問題なのは、住基カードの普及率の低さだ。OSSは、自動車の購入者が住基カードを保有していることが条件となる。今年3月末時点の普及枚数は、全国で54万枚余り。普及率は0.4%にとどまっているのが現状だ。
 日本自動車販売協会連合会では、ディーラーの営業マンなどに対し、自ら住基カードを取得するよう要請し、自動車購入者による取得を推進するよう取り組むという。また、ユーザー向けのパンフレットを作成。ディーラー店頭での説明に使うとしている。
 OSSは、ディーラーにとって、新車登録の際の代行業務が効率化できるというメリットがある。検査・登録、車庫証明、自動車諸税の納付が、それぞれの機関に出向く必要なく、パソコン上で行えるからだ。
 半面、手数料の減収というデメリットも見込まれる。手続が簡素化できる分、ユーザーから受け取ることができる代行手数料も、当然、減らす必要があるからだ。自動車メーカーやディーラーは、OSS化による手数料の減収分を、車検・点検、保険販売の強化などで補っていくものと見られる。
手数料の減少という影響は、継続検査手続にOSSが適用された際に、整備工場にも同様に及ぶ可能性がある。この点が、整備工場にとって、最も懸念される点だろう。
 日本自動車整備振興会連合会がまとめた「平成17年版車検・定期点検整備料金実態調査結果」によると、排気量1.5〜2リットルクラスの検査代行手数料は、全国平均で1台当たり9000円前後。整備工場の大きな収益源になっている。仮に、ユーザーがOSSを使って、自分で車検に関わる手続きを行えば、検査代行手数料は、整備工場の手元には入らないということになる。OSSにより、ユーザー車検が増加する可能性もありそうだ。
 日本自動車整備振興会連合会は、08年の継続検査へのOSSの適用を控え、指定整備工場に対してアンケート調査を実施した。認証工場は、検査場への持ち込み車検なので、OSSを利用するメリットはほとんどないと見ており、調査の対象から除外している。調査の狙いは、現時点で、OSSを利用する意思のある指定工場がどれだけ存在するかを把握することだ。
 日整連は、継続検査へのOSSの適用に向けて、OSSに接続するための専用のシステムを構築する予定だ。同システムは、OSSサービスを利用する指定工場から、1台あたり一定の手数料を徴収して運用する方針。利用する工場があまりにも少なければ、システム運用はコストばかりかさみ、採算割れになってしまうという。
 日整連は、アンケートの結果を踏まえて、必要な改善点があれば、国土交通省などに要請していく考えだ。この際、もっとも重要なのは、届出車(軽自動車)にサービスが適用されるのか、という点だという。
 日整連では、届出車にもOSSが適用されなければ、指定工場がOSSを利用するメリットは低いと見ている。届出車への適用となると、市町村がしっかりと対応の準備を進めておく必要がある。しかし、届出車への適用スケジュールは表向き、全く白紙。当局からは「登録車へのOSS対応の状況を見ながら検討する」というところまでしか、公表されていない。
 継続検査へのOSS適用は、08年ということははっきりと言われている。しかし、日整連が言うように、届出車へのサービスはどうなるのかが判明しない段階では、継続検査への適用が、計画通りに行くか、まだ分からない。ひとまずは、新車の新規登録での状況を見守る必要があるだろう。