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どうなる?2014年の新車市場


 消費税率引き上げに伴う自動車取得税の扱いが焦点となった2014年度税制改正大綱は、軽自動車税の増税という、軽自動車メーカーにとっては苦々しい結果に終わった。14年4月時点での取得税率も登録車が5%から3%、軽自動車が3%から2%への引き下げにとどまり、消費税率の引き上げ幅3%を上乗せすると、購入段階の車両価格への課税は、登録車が10%から11%、軽自動車は8%から10%に増税になる。消費増税の決定後、駆け込み需要はすでに始まっており、4月以降の反動減も懸念される。
どうなる?2014年の新車市場-図1
 「結局は増税になった―」。自動車業界は自民党・公明党の与党が決めた14年度税制改正大綱について落胆の色を隠せない。消費税との二重課税だとし消費税率引き上げ時に廃止を求めてきた自動車取得税。14年4月に消費税が5%から8%へ3%引き上げられる際、登録車、軽自動車ともに3%の引き下げを求めてきた。
 ところが、ふたを開けてみれば登録車が2%、軽自動車が1%への引き下げにとどまり、自動車購入者の負担は14年度(4月1日以降登録)から増加する結果に。自動車関係諸税の簡素化、ユーザーの負担軽減を求めてきた自動車業界の主張は届かなかった。
 しかも大綱は、自動車の税については異例にも15年度にまで踏み込んだ。15年4月以降に新規で購入される軽自動車に対し、毎年納める軽自動車税を7200円から1万800円に1.5倍も増税するというものだ。自動車取得税は15年10月に消費税が10%に引き上げる際に廃止されることが大綱に明記された。その税収減分を、軽自動車税の増税で補うというものだ。
 公共交通機関が不便な地域では、生活の足として軽自動車が使われている。その軽ユーザーを狙い打ちにした増税案に自動車業界は激しく反発してきた。それでもこうした結論を出した政府・与党のやり方に、自動車業界は「軽自動車の増税は残念」(豊田章男日本自動車工業会会長)などとコメントを発表している。
 維持費の負担増は、ただでさえ縮小傾向の自動車需要をさらに冷え込ませかねない。車が若い人から敬遠されるのは税や保険、駐車場といった維持費が高いからだ。逆に言えば、購入・維持にかかわるユーザーの負担を軽減すれば、新規購入を促進し経済への波及効果も高い。"自動車の中での税収減は自動車の中で取り戻す"という発想を政府・与党が変えなかったことは、自動車産業の将来にも影響を与えかねない。
どうなる?2014年の新車市場-写真1  消費増税が決まったことで、14年10月以降、自動車販売店には増税を見据えた駆け込み需要が発生している。自動車メーカーは残業や休日出勤などで増産対応を実施しており、部品メーカーの工場でも、ラインによって負荷の高い状況が続いている。ただ、大幅な生産変動は避けたいというのが、作り手側の本音だ。 一時的な需要の急増は、期間社員やアルバイト、パートタイマーなど臨時雇用の人件費負担を膨らませることになるからだ。ハイブリッド車などは、電池の生産能力が限られ、需要増への対応に限界もある。「それほどの大きな駆け込みはない」と見方もあるが、年度末の販売のピークとなる2月末までにどこまで需要が膨らむのか注視される。
 14年4月以降は軽自動車の売れ行きにも注目が集まる。軽自動車税が1万800円に引き上げられる15年4月以前に購入すれば、従来の税額7200円が適用されるからだ。すでに新車販売台数の4割を占める軽自動車の販売比率が、14年はさらに上昇する可能性もある。ホンダの「Nシリーズ」、三菱・日産の共同開発車の登場などにより、軽の開発・販売競争は一段と熱を帯びている。本家スズキ、ダイハツ工業のシェア争奪戦も激しくなっており、燃費性能や安全機能の充実が進みそうだ。
 ただ、15年4月の軽自動車税の増税後の市場動向は不透明。メーカーがコンパクトカーの強化に動く可能性もあり、このまま軽の勢いが続くのか、注目していく必要がありそうだ。