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日米でタカタ製エアバッグの
リコールが拡大


タカタ製エアバッグ、リコールが日米で拡大

タカタ製の運転席・助手席エアバッグのリコールが止まらない。国内では5月13日にトヨタ自動車と日産自動車、14日にホンダとダイハツ工業、22日には三菱自動車、マツダ、富士重工業が国土交通省にリコールを届け出た。TAKATAいずれも対象を2004〜06年製のインフレーター(膨張装置)に広げた。18日にはタカタと米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が全米にリコールを広げることで合意した。タカタと自動車メーカーは、原因を調べるための調査をそれぞれで行っているが、真因の特定には至っておらず、事態が収拾するめどはたっていない。
  トヨタと日産は、タカタ製エアバッグのリコールで、これまで2003年製インフレーター(膨張装置)を対象にしてきたが、今回、04〜06年製を対象に加えた。トヨタは04年1月から07年3月まで製造の「カローラ」「ヴィッツ」「ノア/ヴォクシー」など22車種・130万983台の助手席エアバッグと、03年7月〜05年10月に製造した「ヴィッツ」「RAV4 J/L」5万6245台の運転席エアバッグをリコール対象にした。
日産は04年1月から08年3月まで製造の「フーガ」「エクストレイル」「プレサージュ」、いすゞにOEM供給している「コモ」など9車種・28万8397台の助手席エアバッグだ。
ホンダは助手席エアバッグについて、04年1月から07年12月まで製造の「フィット」「CR-V」「ストリーム」など10車種・88万3291台、04年2月から07年12月に生産したタイ製「フィットアリア」1万9963台、04年3月から05年10月に米国で生産した「エレメント」「シビック GX」の351台をリコール対象に加えた。運転席側は04年1月から06年12月に生産した「フィット」「ステップワゴン」など10車種・80万3125台、タイで04年9月から06年12月に製造したフィットアリア・1万1456台を対象に加えた。
ダイハツは03年5月から06年3月製造の「ミラ」「エッセ」「ハイゼット」など4車種の運転席側、25万9446台をリコールした。三菱マツダ富士重も合計31万3千台を新たにリコールの対象にした。一連のリコール拡大によって、タカタ製エアバッグに関連した国内でのリコール対象台数は、これまでの305万2092台から734万台へと拡大した。
  米国ではリコールがさらに大規模化する。タカタは18日、日本の国土交通省にあたるNHTSAと、リコールの対象地域を全米に広げることで合意した。米国でのリコール対象台数は1700万台から3400万台に広がることになる。
  運転席側のインフレーターについては、新仕様のものは異常破裂の例がないため、タカタは、旧仕様をすべて新仕様に交換する措置を取るという。助手席用は新品と交換するが、インフレーターの準備が間に合わない場合は、エアバッグが展開しない措置を取る。
  日本、米国での事態に日本自動車工業会の池史彦会長は、22日の定例会見で、「数量の大きさに危機感を持っている」と述べ、原因調査を急ぐ考えを示した。
  タカタ製エアバッグを巡っては、高温多湿の条件下で異常破裂し、飛び散った金属片で乗員が死傷する事故が米国やマレーシアで起きている。異常破裂する原因について、自動車メーカーが共同で第三者機関に調査を依頼しているほか、タカタはドイツのフラウンフォーファー協会に委託して、それぞれ調査を行っている。しかし、いずれも真因の特定に至っていない、と説明している。
  タカタや自動車メーカーは原因が不明としているが、日本でも米国でも、リコール対象にしているのは、タカタが内製しているインフレーターを使ったエアバッグだ。他社から購入したインフレーターを使ったエアバッグは対象外であり、タカタ製インフレーターに特有の事柄が絡んでいると推察される。
  タカタの内製インフレーターには、ガス発生剤に爆発力の強い硝酸アンモニウム系の火薬を使っている。ダイセルなど、タカタ以外のインフレーターメーカーは、反応が穏やかな硝酸グアニジンを使っており、タカタ以外のエアバッグメーカーは硝酸アンモニウムを使っていない。この違いから、火薬に異常破裂の原因があるとの見方は強い。
  硝酸アンモニウムは爆薬の原料で、吸湿性が高いという特性がある。物質的に不安定なため、管理に注意が必要だ。タカタはインフレーターを小型化できるという理由から、硝酸アンモニウム系の火薬をガス発生剤として使用し続けている。火薬に関する見解を自動車メーカー、タカタ、双方ともに示す必要があるのではないか。