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05年度総整備売上高、ディーラー売上高が増え3年連続で増加


国土交通省は、05年度の自動車分解整備業実態調査の結果とまとめ公表した。それによると、総整備売上高は、前年度にくらべ1.1%増の5兆9561億円となり、3年連続で増加した。専業の売上高が減少する一方で、ディーラーの売上高が増加しており、保有ビジネスの拡大を加速するディーラーの取り組みを裏付ける数字となった。

 調査対象となった整備工場の総数は8万8960工場(企業数7万178社)で、前年度にくらべ316件増加した。業態別では、専業が5万3641工場ディーラーが1万6272工場、兼業は1万4981工場、自家工場が4066工場だった。工場数は専業と兼業が増加した一方で、ディーラーと自家工場が減少した。指定工場数は、2万8472工場となり、前年度にくらべ0.6%増加した。

 整備工場数は若干ながらも増加した半面、整備関係従業員数は、前年度にくらべ0.2%減の54万823人となり、2年ぶりに減少した。また整備要員数も同0.1%減の38万8690人と減少した。ただ、整備士の数は、前年度にくらべ0.9%増の33万2684人とわずかに増加。整備要員に占める、整備士の割合は85.6%と、前年度にくらべ0.9ポイント上昇した。

総整備売上高のうち、業態別で最も多かったのはディーラーで、前年度にくらべ3.9%増の2兆8165億円と、3年連続で増加した。総整備売上高に占める割合は47.3%と、前年度の46%に対し1.3ポイントの上乗せになり、2年ぶりに増加した。

一方、専業工場の売上高は、同2.8%減の2兆472億円と、2年ぶりに減少した。総整備売上高に占める割合は34.4%と、前年度の35.7%に対し1.3ポイント下回り、2年ぶりに減少した。また、兼業工場は同3%増の8404億円と2年ぶりに増加、自家工場は、同2.8%減の2520億円だった。
 

今回の調査結果は、ディーラーが整備収益の拡大に、一層力を注いでいることを示しているといえる。自動車業界は、海外事業の拡大により、自動車メーカーは好業績を続けているが、国内販売は、数多くの新車を投入しているトヨタといえども、苦戦が続いている。景気回復が言われるなかで、自動車は遅れをとっている状況だ。

新車販売も、軽と登録車では明暗が分かれている。登録車の販売は、5月までで11ヶ月連続のマイナスが続いており、ディーラーの経営は、厳しさを増す一方だ。特に日産は、昨年10月からマイナスが続いており、好調な軽を加えても、登録車の減少分をカバーしきれない状況。販売現場では、売り安い軽をどうしても売ってしまうため、登録車と軽の販売状況にますます開きが出るばかりだ。

登録車にくらべ、利益幅が小さい軽の販売が増えると、ディーラーの経営には、短期的な収益でマイナス影響が大きい。ディーラーは普通、登録車を前提とした経営になっており、台当たり単価が下がると、人件費などコスト負担が重くなり利益率が悪化するからだ。日産やホンダなど、軽を売るディーラーの経営者の間には、収益悪化への不安が強まっている。
 加えて、人口の減少や少子高齢化を背景に、市場全体に頭打ち感が強まっており、保有ビジネスを強化しようという流れは加速している。地場資本系のディーラーは、そもそもしっかりした経営を行っている販社が多く、早くから、整備、保険、部品・用品といった非新車収益をしっかり確保する経営を行っている。最近は、メーカーも直営販売会社に対して、固定費カバー率や営業費カバー率といった尺度で、非新車部門収益を重視し、保有ビジネスへの転換を図ろうとしている。

さらに、自動車の電子制御化の進展により、故障の原因を見つけにくい高難度不具合が増えており、メーカー専用の故障診断機が必要になっている。ディーラーを取り巻く経営環境、自動車技術の高度化とがあいまって、ディーラーの整備売上は、今後も増加していくと見られる。

ただ、自動車の平均使用年数は着実に長くなっている。地域密着の専業工場は、一段と顧客とのかかわりを深め、顧客ニーズにきめ細かく応えるサービスを提供していくことで、保有客を守っていくことができるのではないだろうか。