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軽への需要シフトが進展−上半期の新車販売


 上半期(1−6月)の新車販売台数は、前年同期比1%減の307万1000台と、上期として2期連続のマイナスになった。登録車が同3.8%減の199万9048台と、23年ぶりに200万台を下回ったことが影響した。一方、軽は、過去最高だった昨年の勢いを持続し、同4.7%増の107万1952台と上期として過去最高を更新した。

 ここへきて、軽は年間で初の200万台を超えるのではないか、との観測も出始めている。軽市場は、スズキとダイハツによる熾烈なシェア争いが数字を押し上げている、という見方があるが、少子高齢化や女性の免許保有率の上昇など、新車販売を取り巻く環境も、軽への需要シフトを推し進めるそうだ。

 国内市場が成熟化し、新車販売台数は、新車の投入数に大きく左右されるようになっている。新車の投入数が多い半面、ロングセラーになるヒット車も生まれにくいというのが、このところの傾向だ。

 今年上半期の新車投入数を見ると、登録車はトヨタが「エスティマ」を、マツダが「MPV」を全面改良した以外は、販売ボリュームの大きい新車投入がなかった。日産やホンダにいたっては、登録車の新車は、この上半期は一台もなかった。こうした状況を考えると、上期は登録車の売れ行きがマイナスとなったことも、想定の範囲と言える。

 一方、軽は、スズキ、ダイハツ、ホンダ、三菱、日産、富士重と、マツダを除く、軽を生産または販売するメーカー(日産とマツダはOEM車を販売)すべてが、新型軽乗用車をこの上半期に投入した。新車の投入数の格差が、軽と登録車の売れ行きの明暗を分けといえる。

 だが、軽への需要シフトは、今に始まったことではない。軽は98年10月に新規格が導入され、車体サイズがアップして、衝突安全性が向上した。翌年、99年の軽販売は、前年比21.2%増の188万台となり、過去最高を記録。この時、新車総台数に占める軽の比率は、98年の26.4%から99年には32%へと一気に上昇している。

 新規格導入後、初の全面改良となった02年、03年の商品は、それまでの軽にはなかった室内空間を確保するなど、商品力がさらに増した。98年の新規格導入が、需要拡大の大きなきっかけになったことは間違いない。

99年以降、軽は新車販売の3割を安定的にキープしてきた。そして、04年に32.3%、05年に32.9%と、再びじわじわと上昇傾向に転じている。今年は、4月に38.1%を記録するなど高水準で推移した結果、上半期は34.9%と、前年同期の33%をさらに上回った。

 下期も上半期の伸び率(4.7%増)で推移すれば、年間では201万3000台と、初めて200万台を超える。上期不振の登録車が、下期にどれだけ挽回するのかにもよるが、登録車が前年並みの392万台とすると、軽の比率は33.9%となり、前年を1ポイント上回ることになる。
 
軽の新車投入は9月以降も続く見通しだ。三菱自動車が「eKワゴン」を全面改良するほか、ダイハツが秋に「ムーヴ」を投入する予定。軽販売の挽回を狙う富士重も、6月に新型車「ステラ」を投入し、下期はシェア回復へと巻き返しを本格化する。
 
 日産は、スズキから「モコ」(スズキ名=MRワゴン)、三菱から「オッティ」(三菱名=eKワゴン)のOEM供給を受けているが、今年末からは、スズキから、新たにもう一車種、軽乗用のOEM供給を受けることになった。日産は、登録車の販売では大幅なマイナスが続いているが、軽販売は好調。当面は、軽で国内の販売台数を補う格好が続きそうだ。

 登録車は、トヨタ自動車がレクサスの旗艦車種「LS」を9月に発売するほか、「カローラ」を秋に全面改良する予定。このほか、年内は三菱が「パジェロ」、日産が「スカイライン」を全面改良する。また、マツダも新型クロスオーバー車「CX‐9」を発売する計画。このなかで、最も台数を稼げるカローラがどれだけ販売を伸ばせるのかが、下期の登録車の売れ行きを左右することになりそうだ。