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長引く半導体不足 2022年の新車販売が4年連続減少


長引く半導体不足 2022年の新車販売が4年連続減少

2022年の新車販売台数が4年連続で前年を下回った。年間を通し受注は好調だったものの、車載半導体の供給不足が続き、生産が間に合わなかった。半導体不足は23年も続くとみられており、供給の正常化には、なお時間を要する見通しだ。

日本自動車販売協会連合会(自販連)全国軽自動車協会連合会(全軽自協) が1月5日に発表した22年の新車販売台数は、登録車が前年比8.3%減の256万3184台、軽自動車が同0.9%減の163万8137台となり、登録車は5年連続、軽は4年連続で前年を下回った。登録車と軽自動車を合わせた総台数は同5.6%減の420万1321台と4年連続の前年割れ。 水準としては、東日本大震災時の2011年(421万220台)を下回る低さだった。

22年は夏まで前年同月比でマイナスが続いたものの、9月以降はプラスに転じ、12月は登録車と軽の合計で2.4%増と4カ月連続で増加した。軽が15.0%増と大幅に増加し、登録車(4.4%減)のマイナスを補った。登録車は4カ月ぶりのマイナスに転じた一方で、軽は4カ月連続でプラスとなり、回復の差が鮮明になってきている。

日本自動車工業会 によると、22年1〜10月の国内生産台数は636万9248台と前年同期を0.2%下回っており、メーカーの挽回生産が思うように進んでいない状態だ。年間ではコロナ前の2割減となる780万台レベルになるとみられ、約5割を占める輸出分を差し引くと、国内向けの供給は400万台に満たない計算になる。

22年の販売で最も落ち込みが大きかったブランドはトヨタで、前年比12.4%減と乗用車メーカーでは唯一の2桁減となった。マイナス幅は21年の2.1%減から大幅に拡大した形だ。その他のブランドでは、ダイハツとマツダが前年比プラスに転じたほか、スズキ、ホンダ、日産も21年に比べマイナス幅は縮小しており、トヨタの落ち込みが目立つ。トヨタは12月も前年同月比で12.1%の減少となっており、足元でも回復が遅れている。

トヨタの販売が低調なのは、生産の回復ペースが上がらないためだ。積み上がる受注残を解消しようと昨年は世界で挽回生産を計画したものの、たびたびの計画修正を迫られた。国内生産は1〜11月の累計で前年同期比7.0%減と、挽回生産どころか、昨年を下回る状況となっている。

苦戦している理由は、世界的な車載半導体の供給不足がいまだに続いているためだ。ハイブリッド車の割合が高いトヨタは、他ブランドに比べ、その影響がより大きく出ているとみられている。

トヨタ自動車によると、トヨタ車の半導体搭載数は、最も多い車種で1台当たり1千個という。その一つでも足りなければ車は完成しない。トヨタは対策の一つとして、納車時に購入者に渡すスマートキーの本数を減らすという苦肉の策を昨秋から講じ始めた。それほど半導体の数が足りていない状況は過去にない。

トヨタ以外のメーカーも決して、楽観しているわけではない。20年秋以降に顕在化した車載半導体の不足はかれこれ2年以上続いている。半導体のリードタイムは半年と言われるが、これを大幅に上回り、当初、メーカーが考えていた以上に長期化している。背景にあるのが、半導体メーカーの設備投資がスマートフォンなどに使われる先端半導体に向かっていることだ。

自動車には多くの電子制御装置が搭載され、そこには半導体が組み込まれているが、それらは回路線幅が数十ナノ(ナノは10億分の1)辰函比較的古いタイプのものが多く、半導体メーカーにとって利幅が小さい。コロナ禍で需要が激減するとみた自動車メーカーが一斉に発注を停止したことで、半導体メーカーの設備投資が回路線幅数ナノ辰箸い先端品に向かわせたと言われている。

状況を改善しようと、 国が支援しファウンドリー(受製造専門メーカー)世界首位の TSMC(台湾積体電路製造) が車載半導体の合弁工場を熊本県に建設する工事が進められている。ただ生産開始は24年末の予定で、あと2年は、現在のような状況が続く可能性が高い。

メーカーでは、不足している半導体を特定し、ピンポイントで対策を打つことで、少しでも納期を短縮しようとしている。23年の国内市場は、そうした取り組みがどう効果を表すのかに左右されると言えそうだ。

 




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