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トヨタ、深刻なグループ会社の不正体質


トヨタ、深刻なグループ会社の不正体質

トヨタグループの海外における年間販売、年間生産は過去最高を記録! 2022年12月および2022年年間の販売・生産・輸出実績 |  Motor-Fan[モーターファン] トヨタ自動車がグループ会社の不正に揺れている。日野自動車豊田自動織機ダイハツ工業の認証不正が相次いで発覚し、グループ統治力の限界も指摘される事態になっている。トヨタの成長力の源泉だったグループの結束が不安視される状況だ。

トヨタのグループ企業の不正が最初に発覚したのは、日野自動車のエンジン認証不正だ。22年に内部告発によって発覚し、該当するエンジンを載せたトラック・バスの出荷停止および認証取り消し、さらには、再発防止に向けた組織体制の見直しを指示する「是正命令」が国土交通省から初めて出された。

株式会社豊田自動織機 - GoodStory - ストーリーから人と会社を知る グループの不正は日野にとどまらなかった。23年3月には豊田自動織機でフォークリフト用エンジンでの認証不正が明らかになり、さらに同年4月に、ダイハツが衝突安全性能に関わる認証手続きで不正を行っていたことが発覚した。日野、ダイハツというグループの自動車メーカー2社に加え、トヨタの創業の原点ともいえる豊田自動織機で不正が行われたことに衝撃が広がった。

問題はこれで終わらなかった。ダイハツが設置した第三者委員会の調査結果(23年12月公表)によると、不正行為は25の試験で行われ、対象車種の数は、生産が終了した車種も含め64車種、不正行為の数は、合計174(うち14は国交省の立ち入り検査で判明)に上った。さらに、24年1月には、豊田自動織機の新たな不正が明らかになった。「ハイエース」「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「ダイナ/デュトロ」などに搭載されている自動車用ディーゼルエンジンでの認証不正だ。この異常事態に、トヨタの佐藤恒治社長や、豊田章男会長も謝罪に追い込まれた。

自動車業界ではこれまでにも、リコール隠しや燃費偽装、不適切な完成検査といった不正が起きた。そのたびに自動車業界は顧客の信頼を失ってきた。だが、世界一の事業規模を誇るトヨタの足元で、このような不正がはびこっていたことの衝撃は格段に大きい。豊田会長は否定したが、トヨタ本体でも同じようなことが起きていたとしたら、世界中で日本の自動車産業への信頼を揺るがす事態になる。

豊田章男が大切にしてきたリーダーシップ 自工会会見

日野やダイハツ、豊田自動織機で起きた不正の背景には、認証試験を行う現場に対する過度なプレッシャーがあったとされる。ダイハツは、トヨタの完全子会社となって以降、主力の軽自動車事業に加え、トヨタの「新興国小型車カンパニー」として、トヨタの新興国向け小型車の開発も担っている。組織的にも開発部門と認証部門が分かれておらず、認証が開発の一部になっていたことも、不正を誘発したと言われる。豊田自動織機については、特別調査委員会が、トヨタの言われるままにエンジンを開発する「受託体質」であったことや、トヨタとのコミュニケーションが不足してことを原因として挙げた。いずれも、トヨタ車の開発に組み込まれていった中での不正と言え、トヨタの責任も免れない。

そんな折、豊田会長が名古屋市の産業技術記念館で発表したのが、トヨタの 新たなグループビジョン「次の道を発明しよう」 だ。 豊田会長は、グループが「原点を見失っている」とし、発明王と呼ばれた曽祖父・豊田佐吉氏にちなんで「発明」という言葉を取り入れた。そして、5つの心構えとして、「誰かを思い、力を尽くそう」「仲間を信じ、支えあおう」「技を磨き、より良くしよう」「誠実を貫き、正しくつくろう」「対話を重ね、みんなで動こう」を挙げた。 また、グループ17社に「マスタードライバー」をつくるよう指示した。 マスタードライバーとは、車の乗り味を決める最後の関門で、豊田会長はトヨタのマスタードライバーでもある。 豊田氏は、各社が任命するマスタードライバーとの対話を通して、グループをグリップしていくという。株主総会にも17社全社に出席することを明らかにした。

トヨタは、豊田自動織機自動車部やトヨタ自動車から分離・独立した部品メーカーのほか、生産委託やOEM(相手先ブランドによる生産)で関係のあったダイハツや日野、その他車体メーカーなど17社でグループを形成している。創業家である豊田家は、グループの「旗」と言われ、かつて、社長・会長を務めた豊田英二氏や豊田章一郎氏は、グループの心のよりどころでもあったと言われる。一方で、トヨタが急成長し始めた2000年代前半頃、トヨタグループは、体裁を整える文化に染まり出したと指摘されている。そうした文化が不正につながっていたとしたら、問題の根は深い。グループをどう導いていくのか、トヨタは自ら襟を正すほどの真剣さで臨む必要がある。




 





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