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トヨタがいすゞに出資、ディーゼルエンジンで業務提携


 トヨタ自動車といすゞ自動車は、ディーゼルエンジン分野で資本・業務提携することで合意した。トヨタの渡辺捷昭社長といすゞの井田義則社長は11月7日、都内で記者会見を行い、今回の提携合意に至った背景などを説明した。

 発表によると、提携分野は‐型ディーゼルエンジンの開発・生産に関する分野▲妊ーゼルエンジンの排出ガス制御技術・装置の共同開発エンジンなどに関する各種基礎技術、代替燃料などの幅広い環境技術。会見内容によると、トヨタ側から乗用車用ディーゼルエンジンの開発でいすゞに協力を求めた。提携の具体化に向けて、両社の検討委員会で検討を進めるという。

 トヨタは、長期的な視野でいすゞとの協力関係を構築するため、いすゞと資本関係を結ぶこととし、三菱商事から6千万株、伊藤忠商事から4千万株の1億株を取得した。トヨタのいすゞに対する出資比率は5.9%。トヨタは05年10月に、富士重工業にも資本参加しており、結果的に、ゼネラルモーターズ(GM)が出資を引き揚げたメーカー2社に、トヨタが相次いで出資したことになる。日本の自動車メーカーは、11社のうち4社にトヨタの資本が入ったことになる。

 トヨタとGMは、米国の合弁生産拠点、NUMMI設立以来、親密な信頼関係を構築しており、経営危機に陥ったGMに対しての、間接的な支援とも受け取れる。GMに対しては事前に、いすゞから、今回の提携の件が伝えられていたようだ。

 いすゞは、トヨタの子会社である日野と、国内のトラック販売でしのぎを削るライバル会社どうし。いすゞの井田社長は、トヨタから提携の申し入れを受けた時「大変驚いた」という。しかし「よく考えてみると、トヨタとの提携は、いすゞのブランドにとってもプラスになる」と考え、トヨタの提案に応じた。

 35年間に及んだGMとの資本関係を、4月に解消したいすゞについては、ますます要請が高まる環境対応など将来を考えると、他メーカーとの新たな提携の必要性が指摘されていた。トヨタの申し入れは、いすゞにとっても“渡りに船”だったとも言える。

 両社の発表では、提携骨子のうち、,鉢△呂い后兇、はトヨタが主要な役割を担うという。トヨタは排気量1.4l、2.0l、2.2l、2.5l、3.0l、4.2lのディーゼルエンジンを持っており、欧州の「ヤリス」(ヴィッツ)や「カローラ」「アベンシス」、「ハイラックスサーフ」「ランドクルーザー」に搭載している。また、PSAとの合弁事業であるチェコの工場では、プジョーからディーゼルエンジンの供給を受け小型車を生産している。

 一方、いすゞは、ポーランドのGMとの合弁工場、ISPOLで排気量1.7l、同3.0lのディーゼルエンジンを生産。オペル「アストラ」「ベクトラ」、ルノーの「ベルサティス」などに搭載されている。また、米国でのGMとの合弁会社、D-MAXでは、排気量6.6lのV型8気筒ディーゼルエンジンを生産し、GMのピックアップに搭載されている。トヨタとの提携にともない、いすゞとGMが、これら合弁を解消する可能性もあるが、いすゞは今のところ、これを否定している。

 トヨタはいすゞとの提携により、ディーゼルエンジンの開発を大幅に効率化する狙いがあると見られるが、まずは、欧州でのディーゼル戦略で提携効果を出したい意向だ。また、将来的には、グローバルな販売拡大に向け、乗用車用ディーゼルの開発実績があるいすゞの力を、最大限に活用するとみられる。

 海外での事業が急速に拡大するなかで、トヨタでは製造品質の確保だけでなく、開発リソースの不足も大きな課題となっている。トヨタは、ガソリンエンジン、ハイブリッドシステム、燃料電池など、燃料の多様化に対応するあらゆるパワートレーンの開発に人員を投入している。いすゞの開発リソースを活用することで、ディーゼルエンジンの開発体制を補強し、自らのグローバル戦略を推進していく。