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自工会07年需要見通し、登録車は363万台と低水準


 日本自動車工業会が発表した07年の需要見通しは、登録車が363万5000台と、06年を2.4%下回る見通しだ。登録車の06年市場は前年同期に比べ5.4%減の371万5000台。07年は、規制による需要が一巡する大型車が大幅に落ち込む一方、乗用車も登録車は引き続き前年を下回るとの予想。06年に初めて200万台を超えた軽は199万5000台を予想している。軽の需要は引き続き高水準が見込まれるが、登録車は今年も厳しい状況が続きそうだ。

 06年は売れ行き不振が続いた登録車。トラックはNOx・PM法による代替需要で増加し、普通トラック(大型・中型)は前年比3.2%増の11万台の見込みだ。一方、乗用車は、普通車が同3.6%減の122万5000台、小型車が同8.7%減の190万8000台で、乗用車合計は同6.8%減の313万4000台となった。

 12月の登録車販売は前年同月を7.2%下回り、11月に比べ減少幅がさらに拡大し、18カ月連続の前年割れという状況となっている。

 一方、軽自動車は06年の販売が前年比5.2%増の202万3000台となり、初めて200万台の大台を超えた。軽はスズキ、ダイハツをはじめ、各社が積極的に新車を投入したほか、ホンダや日産といった登録車中心のメーカーが軽販売に力を入れたことから、市場が膨らんだ。競争の激しさから、自社名義登録もかなり増えたと見られる。

 自工会は、07年の需要見通しについて、登録車の不振はさらに続くと予測。軽も199万5000台と、減少を見込んでおり、登録・軽合計では、前年比2%減の563万台と、85年の555万6834台以来、22年ぶりに低水準になるという。

 軽は、新車投入が多かった06年に比べると減少するという見通しだが、200万台前後の高水準で推移すると見られている。
 主要な経済指標から、景気は緩やかな回復を続けていると言われているが、一般消費者の支出は、薄型テレビなど、自動車以外の商品に向かっており、自動車の買い替えには、なかなか資金が向かわない状況にあるといえる。

 登録車の販売不振の主な背景は、税金など維持費が安い軽に需要が流れた一方、登録車は「代替を先延ばしにしたユーザーが多かった」(トヨタ)。自動車の耐久性が高まったほか、使用年数も年々延長する傾向が続いており、代替期間の延長は、登録車市場が不振だった大きな要因となっている。

 さらに、ホンダや日産自動車といった、登録車主力のメーカーが、軽の販売に力を入れたことも登録車の販売全体を落ち込ませた理由と考えられる。ホンダの販売店は06年3月にチャンネルを一本化し、旧クリオ、ベルノを含む全店で軽を取り扱うことになった。軽に需要が流れるなか、利幅よりも台数が重要な販売店は、売りやすい軽をより多く売るというのは自然な流れといえる。

 ホンダは軽自動車の生産を委託している八千代工業を子会社化。軽乗用の車種追加を検討しており、軽をより積極的に売っていく方針を示している。

 同じことが日産にも言える。日産は、スズキから軽乗用「モコ」、三菱自動車から同「オッティ」の供給を受けている。三菱からは商用軽の供給も受けており、登録車の前年割れを続ける一方で、軽の販売を大きく伸ばしている。スズキから新たに1車種の供給を受けることで、さらに日産の軽販売が増える可能性がある。

 ホンダや日産には軽を強化しなければならない理由もある。市場ニーズに即座に対応していかなければ、新たな顧客を獲得もさることながら、顧客の他銘柄への流出も食い止められないからだ。

 トヨタは、ダイハツという軽メーカーを傘下に持ち、登録車に専念できる。日産やホンダは自社で軽も登録車も売らねばならない。海外事業が急速に拡大するなかで、国内に振り向ける経営資源は限られており、両社とも、今は需要が拡大する軽により注力せざるを得ない。

 自工会は07年の登録車市場をかなり悲観的に見ているといえる。だが、代替を控えていたユーザーが、そろそろ代替の検討に動くとの見通しもある。ユーザーの動向もさることながら、メーカーが国内市場にどう対処していくかも、需要動向を左右しそうだ。