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■ 好業績のトヨタ系部品・車体メーカー、来期は伸び率縮小予想


 トヨタ系部品メーカーの業績が好調だ。デンソー、豊田自動織機など主要部品・車体メーカーの07年3月期決算は、軒並み過去最高となり、トヨタの快走ぶりを反映した。トヨタは北米を中心に、海外全般で販売が好調。現地生産で足りない分を、国内で生産し輸出しており、輸出向けの高水準な生産が、部品メーカーや車体メーカーの好業績につながっている。ただ、国内需要が伸び悩み、現地生産が拡大する見通しのなかで、トヨタの国内生産はそろそろピークと見られており、来期は、売上高の増加幅を1ケタ台に見込む部品メーカーが多い。

 4月26日に揃って発表されたトヨタ系部品・車体メーカーの決算は、デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、トヨタ紡織、豊田合成の5社が、売上高、営業利益、経常利益とも過去最高だった。愛知製鋼や、車体メーカーのトヨタ車体、関東自動車工業も、売上高が過去最高だった。

 デンソーは、売上高が前期に比べ13.2%増の3兆6097億円、営業利益が同13.7%増の3031億円、経常利益が同13.8%増の3221億円と、営業利益、経常利益がともに3千億円を超えた。原材料高や償却費の増加などのマイナス要因があったが、売上高の増加や、為替の円安もプラスに働き、過去最高益を確保した。

 豊田自動織機は、車両生産やエンジン生産などの自動車部門のほか、産業用車両、繊維機械、物流事業も好調で、売上高が前期比24.7%増の1兆8783億円と大幅な増収となった。営業利益は同40.5%増の899億円、経常利益は同34.5%増の1084億円と、売上高の増加や合理化努力で、利益も大幅に増加した

 アイシン精機は、売上高が前期比12.2%増の2兆1205億円、営業利益が同11%増の1180億円、経常利益が同7.3%増の1250億円だった。エンジン、ドライブトレーン、ブレーキ・シャシ、ボディ関係の各部門で、売上高が2ケタ増と好調だった。

 トヨタ紡織は、主力の内装品の売上高が大幅に増加し、売上高が前期比23.4%増の1兆827億円、営業利益が同43.3%増の483億円、経常利益が同37.8%増の521億円と、大幅な増収増益となった。

 愛知製鋼は、売上高が前期比4.7%増の2兆 3563億円と過去最高だったが、原材料高の影響で、営業利益は同33.9%減の1061億円、経常利益は同35.9%減の1010億円と大幅な減益となった。鋼材や鍛造品を製造する同社は、主原料である鉄くずや、ニッケル価格の高騰の影響をもろに受け、製品価格の値上げや原価低減努力でも吸収できなかった。

 豊田合成は、売上高が前期比19.1%増の5934億円、営業利益が同60.4%増の315億円、経常利益が同56.6%増の313億円だった。製品価格の変動や、原材料高の減益要因があったが、売上高の増加、合理化努力で大幅な増益となった。

 車体メーカー2社は、売上高、生産台数は過去最高。利益面では、関東自動車工業が2期ぶりに増益となったが、トヨタ車体は、価格改定や、減価償却費の増加などにより、営業利益、経常利益ともに減益となった。

 好業績を続けるトヨタ系部品・車体メーカーだが、08年3月期は、売上高の伸びが減速する見通し。デンソーが前期比5.3%増と伸び率が半減するほか、豊田自動織機は同3.8%増、アイシン精機は5.1%増、トヨタ紡織も同4.4%増と、主要部品メーカーがいずれも1ケタ台の伸びにとどまる。豊田合成も同2.7%増と、伸び率が大幅に縮小する。各社、今年は為替レートを若干の円高と見ているほか、トヨタの国内生産がそろそろ頭打ちになるとの見通しからだ。

 トヨタの06年の国内生産台数は、前年比10.7%増の419万台。国内販売が170万台程度だったのに対し、輸出向けが大幅に増加した。07年は、国内販売を前年並みと見る一方、生産は427万台とする計画で、さらに輸出向けが増加する。

 ただ、トヨタは北米8番目の工場となる米ミシシッピ工場の建設を決めたほか、今年から来年にかけ、北米や中国で、相次いで現地生産を拡大する。トヨタの国内生産は、今後、増えても430〜440万台と見られ「国内生産はもう増えない」と見る部品メーカーが多い。海外向けをどこまで伸ばせるかが、部品メーカーの成長の鍵となりそうだ。





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