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 第40回東京モーターショーが11月11日閉幕した。今回は10年ぶりに大型車と乗用車・二輪車の総合ショーとなった。北京や上海など、アジアのモーターショーへの注目度が高まるなかで「コンパクトな展示で世界最高の情報発信力がある東京モーターショー」を目指した今回のショー。世界の中での存在感を強くアピールしたいという、主催者側の思いが込められたショーとなった。東京に先立って開催されたフランクフルトモーターショーでは「環境」を全面に押し出された。東京モーターショーも燃料電池、ハイブリッドはもとより、クリーンディーゼルやEV(電気自動車)などの環境技術が、一段と強くアピールされた。
 ガソリンに比べ燃費性能に優れるディーゼル車。日米欧でディーゼル車の排
ガス規制が2009年〜2010年にかけ強化される予定で、燃費と排ガス性能を兼ね備えたクリーンディーゼルが注目を集めており、東京モーターショーでも日本メーカーが出展した。
 ホンダは次世代クリーンディーゼルエンジン「i‐DTEC」を日本初公開した。2000気圧コモンレールシステムを採用し、独自開発のNOx(窒素酸化物)触媒「LNC(リーンNOxキャタリスト)を組み合わせた。ホンダは同エンジンを搭載したモデルを、09年に米国に投入し、日本にも投入していく計画を発表している。
 日産自動車は、2010年度から日本、北米、中国に投入するクリーンディーゼルエンジン技術を展示した。日本では、08年秋に、最新排ガス規制に対応したクリーンディーゼルエンジンを「エクストレイル」に搭載し発売する。富士重工業は、欧州市場をターゲットに開発した水平対向ターボディーゼルエンジンを展示した。
 ボッシュやデンソーは、ディーゼルの排ガスクリーン化の重要技術であるコモンレールシステムを展示した。両社は、現在1800気圧の燃料噴射圧を2000気圧に高め、高精度な燃料噴射を実現するピエゾ式インジェクタを採用した最新コモンレールシステムを開発。来年から欧州向け車両への搭載が始まる。
 富士重工業や三菱自動車は、次世代リチウムイオンバッテリーを搭載したコンセプトカーを出品した。富士重の「G4eコンセプト」は、独自開発のバッテリーの性能を向上し、車体軽量化を図ることで一度の充電で200劼料行を可能にした。三菱の「i‐MiEV スポーツ」は、前輪にインホイールモーターを組み込んだ。富士重のG4e同様、200劼力続走行を可能にしている。
 日産が出品したコンセプトカー「ピボ2」も、リチウムイオンバッテリーを搭載した“電動シティコミューター”として提案したものだ。ホンダは、やわらかいジェル状のボディを採用し人への安全性向上を狙ったコンセプトカー「PUYO(プヨ)」を参考出品。こちらには燃料電池EVシステムが搭載された。
 ハイブリッド車は、トヨタ、ホンダのほか、欧州勢が出展した。トヨタはプラグインハイブリッドを採用したコンセプトカー「Hi‐CT」、レクサスのスペシャリティSUV「RX‐Xh」、近く市販予定の「クラウンハイブリッド」を世界初公開した。また、ハイブリッドスポーツカー「FT‐HS」も出品した。
 ホンダも、市販予定のハイブリッドライトウェイトスポーツ「CR‐Z」を世界初公開した。欧州勢はダイムラーがディーゼルハイブリッドを搭載した「メルセデスベンツC300ステーションワゴン ブルーテック ハイブリッド」を、BMWが「コンセプトX6アクティブハイブリッド」を参考出品した。トヨタ、ホンダの日本勢が先行するハイブリッドに欧州勢も続々、参入する。
 トヨタは、ハイブリッドをさらに進化させたコンセプトモデル「1/X」を出品した。ボディ骨格にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使い、プリウスと同等の車室空間ながら、車両重量はプリウスの3分の1の420kgとした。排気量500ccの小排気量エンジンと組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載し、現行プリウスの2倍の燃費を目指すという。
 今年の東京モーターショーは、燃費向上、CO2削減を目指すメーカーの取り組みがより鮮明に示された。今後、中国、インドなど新興国の市場拡大で、化石燃料の消費が拡大し、地球温暖化はさらに加速する懸念がある。自動車業界には責任が重くのしかかり、先進環境技術の開発がさらに加速しそうだ。