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日本自動車販売店協会連合会、2007年版「国内自動車販売の現状と課題」(下)


 新車市場が伸び悩む中、ディーラー経営には新車利益に頼らない安定した経営体質づくりがさらに重要性を増している。調査結果からも、ディーラーが非新車部門による収益拡大や、既納客との結びつき強化のためのCS(顧客満足度)向上への取り組みを強化している姿が浮かび上がった。一方、ディーラー経営の現状は、欠損企業数が前回調査よりも増加、新車市場の縮小がディーラー経営にじわじわと影響を及ぼしている実態が明らかになった。

〈固定費カバー率75%〉
 非新車部門収益の拡大はディーラー経営の大きな課題になっている。その指標の代表的なものが人件費などの固定費を、サービス・部品、保険など新車以外の部門でどれくらい稼いでいるのかを示す固定費カバー率。今回の調査(06年度実績)の固定費カバー率は、乗用車店合計(軽四併売店、輸入車店を含む)で75%と、前年度に比べ1.4ポイント増加した。5年前の01年度に比べると6.9ポイント増加し、着実に増加基調にある。

 車種店別では、乗用車店が77%と前年度に比べ2.4ポイントの上昇、軽四併売店も前年度に比べ微増ながら、65.8%と増加基調にある。一方、輸入車販売店は03年度をピークに低下傾向にあり、今回は63%と前年度並みにとどまった。

 部門別の固定費カバー率は、サービス・部品部門が47.6%に上る。同部門はメンテナンスパックの導入による、定期点検の伸びが大きかった。定期点検入庫は、前年度に比べ6.1%増となり、車検入庫の増加率(1.2%)を大きく上回った。定期点検入庫は3年前に比べても24%増と大幅に増加している。

 車検入庫も3年前の比べ12%増と、着実に増加している。乗用車店合計の車検入庫率は初回が64.5%、2回目が54.3%、3回目が46.9%、4回目が39%と回数が進むにつれ低下傾向にある。初回車検は前年度に比べ2.4ポイント、2回目車検は1.3ポイント上昇した。報告書は「車検入庫はおおむね上昇傾向」としている。

車検時の引き取り納車比率は51%(前年度は52.1%)と、微減にとどまっている。ほとんどの企業が引き取り納車を社員2人体制で行っているため「大きなコスト増要因になっている」という状況だ。

〈ディーラーの経営状況〉 ディーラーの総資本利益率は乗用車店、軽四併売店、輸入車店ともに前年度を下回った。乗用車店は2.5%、輸入車店は0.8%と、輸入車店で低下が顕著になっている。売上高経常利益率も、乗用車店が1.2%と前年並みだったのに対し、輸入車店では0.4%と大幅に落ち込んだ。輸入車店は、収入手数料を含む総粗利率が低下したこと、軽四併売店は売上高に占める営業費率が増加したことが、利益率の低下の要因になった。

 欠損企業はどの車種店でも増加した。輸入車店が最も高く、32.9%と前年度より3ポイント増加した。乗用車店も27%と5ポイントの増加した。軽四併売店は15.3%と割合は最も低いが、前年度に比べ10.2ポイントも増加した。企業規模別では、従業員数99人以下の企業が38.9%と、04年度の21.6%から大幅に増加した。一方、500人以上の企業では11.8%となっており、報告書は「(企業規模別で)大きな差が生まれている」としている。

 〈サービス部門で非正社員比率が増加〉

 ディーラー従業員に占める非正社員比率は8.6%と、前回調査に比べ1.2ポイント増加した。事務・一般職(営業補助を含む)が34.1%と前年度より1.9ポイントの増加、サービス部門(アドバイザーを含む)は8.3%と前年度に比べ3.9ポイント増と大幅に増加した。

 

非正社員のうち、定年退職者の割合は17%と前年度より4.8ポイントも増加。報告書は「定年退職者の有効活用により、技能の伝承に加え、正社員の残業削減への寄与などが期待される」としている。

女性スタッフの割合は、女性ユーザー比率の上昇に伴い、乗用車店合計で12.7%と前年度に比べ1.6ポイント増加した。軽四併売店や輸入車店では営業、サービスといった直接部門でも、女性の活用を積極化している。

〈CS重視が大幅に増加〉

店長への目標として重視する3項目の調査では、3年前の調査に比べ、CS評価を重視する企業が56%と7ポイントも増加した。またCS評価の順位が高い企業ほど、社内の表彰制度を導入している割合も高く「(表彰制度が)従業員のCS向上への動機付けの面で有効」としている。CS評価の高い企業はサービス入庫率、来場者数なども高く、利益率や固定費カバー率が高い傾向にある。営業スタッフの定着率も良く「安定した顧客サービスを提供していると推測される」としている。