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新車販売は下げ止まるか?


日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた今年上半期(1‐6月)の新車販売台数が上半期としては3年連続のマイナスになった。マイナス幅が縮小したことから下げ止まりの兆候が見え始めたとの見方もあるが、7月に入り、ガソリン価格はさらに高騰。車の利用を控えるユーザーが増えており、車の販売にはマイナスの要素ばかりが目立つ。ただ、ハイブリッド車への人気は相変わらず高く「プリウス」はモデル末期ながら売れ行きが好調だ。燃費への要請に応えるモデルが出揃えば代替需要が掘り起こせるチャンスがある。

 自販連が7月1日に発表した上半期の新車登録台数は、前年同期に比べ0.9%減の177万1000台。上半期としては06年から3年連続のマイナスだった。1月、2月、4月が前年を上回ったが、3月、5月、6月がマイナスだった。上半期は「クラウン」(トヨタ)「ティアナ」(日産)「アルファード」(トヨタ)などが全面改良。トヨタはアルファードの兄弟車「ヴェルファイア」も投入した。ホンダもモビリオ後継の新型車「フリード」を発売したが、5月、6月の市場を上向かせるところまでいかなかった。

 上半期の状況が下期も続けば、今年の登録車市場は339万台と前年を4万台下回ることになる。下期に投入される新型コンパクト車「iQ」(トヨタ)、「オデッセイ」(ホンダ)「キューブ(日産)の全面改良効果がどこまで出てくるかに、下期の動向が左右される。ただ、ガソリン価格は7月に入り、レギュラーガソリンが地域によって1リットル180円を突破するなど一段と高騰している。このため車による外出やレジャーを控えるドライバーが増えており、新車の売れ行きには向かい風だ。

ガソリン高が進み、燃費の良いハイブリッド車へのニーズは一段と高まっている。特にプリウスは来春に6年ぶりの全面改良を控えてモデル末期にさしかかっている。それにも関わらず6月は前年同月にくらべ30%増の6200台、1−6月は同23%増の3万5000台を販売した。トヨタはニッケル水素電池やハイブリッド専用部品の生産能力を高め、日本や米国でのプリウスの需要に対応したが、それでも品不足状態が続いている状態。供給が間に合えば、国内でももっと売れているはずだ。

国内販売にとってもう一つの懸念材料は、鉄鋼価格の値上げに伴い、自動車メーカーが新車の販売価格を引き上げる可能性があること。トヨタは鉄鋼メーカーと今春、鋼材価格を1トン当たり2万8000円引き上げることに合意した。引き上げ幅は35%にもなり、トヨタにとっては年間3000億円もの減益要因になる。

鋼材価格の値上げは、すべての自動車メーカーにとって、今期の大きな減益要因となる。日産のカルロス・ゴーン社長は最大手のトヨタに対し、記者会見などの場で再三にわたり国内でも値上げに踏み切るよう訴えている。もしトヨタが一斉値上げに踏み切れば、販売にマイナスになることは必死だ。

非常に厳しい状況が続く登録車に対し、軽自動車は前年割れとなりながらも高い水準を維持している。上期は前年同期に比べ3.8%減の101万4000台。6月は前年同月にくらべ2.8%減の16万5000台だった。下期が同様のペースなら年間の市場は183万台と2002年と同レベルになる。

高水準とはいえ、軽市場も202万台を記録した2006年に比べると、勢いは明らかに弱まっている。高齢ドライバーの増加など登録車から軽へのシフトが続く要素はあるが、人口の減少・都市部への人口集中という流れは軽にとってもマイナス要因。登録車同様、販売が増えていく材料はあまり見当たらなくなっている。軽は1998年の規格改定により商品力が一段とアップしたことから市場が拡大した。今後は燃費性能を格段に高めるなど、次の代替を促すための付加価値向上策が必要になりそうだ。