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景気対策が奏功、新車販売にやや明るさ


 登録車の新車販売が4月以降、徐々に改善している。日本自動車販売協会連合会が7月1日に発表した6月の新車登録台数は前年同月に比べ13.5%減の24万3342台となり3カ月連続でマイナス幅が縮小した。エコカー減税や補助金制度といった政府の景気対策が消費者に少しずつ浸透し始めた効果といえる。ただ、景気対策導入前の1−3月の水準が前年同期比7割を切るレベルだったことで、1−6月の累計は前年同期比26.4%減の130万台と大幅なマイナスだった。依然として水準は低く、油断できない状況に変わりはない。

   

 世界同時不況の影響で国内の新車販売台数は昨年秋から急減。今年に入ってからは1月が前年同月比27.9%減、2月が同32.4%減、3月が同31.5%減と3割近いマイナスが続いていた。しかし新年度に入ってからは、4月が同28.6%減、5月は同19.4%減と徐々にマイナス幅が縮小。6月は前月に比べ5.9ポイント改善した。
 背景には政府が景気対策として導入した、低炭素車に対する自動車取得税・自動車重量税の免税・減税や、買い替え補助金制度の導入が挙げられる。特に買い替え補助は初度登録から13年超の車を廃車して環境対応車に買い換えた場合は25万円、13年超の車の廃車を伴わない場合でも10万円の補助金が受けられる。
エコカー減税導入当初の4月の販売動向はやや期待はずれだった。これは消費者に制度があまり認知されていなかったためと見られる。自動車メーカー各社はこのところ積極的なTVCMを展開しており、エコカー減税や補助金制度の認知度を高めている。この成果もあって5月、6月は少しずつマイナス幅が縮小し始めたようだ。ただ、これらの制度は軽自動車ではやや恩典が薄く、軽は1−3月に比べ、4−6月の販売台数は前年同期に比べマイナス幅がやや拡大している。
 6月はほとんどのメーカーまたはブランドでマイナス幅が改善している。ホンダは前年同月比5.7%増と3カ月連続でプラス。ハイブリッド車「インサイト」の好調さに加え、同モデル目当てに来店した人が「フィット」を購入していくなど、インサイトによる効果が他のモデルにも波及している。マツダでも他メーカーのハイブリッド車投入をうまく宣伝に使い、「デミオ」などの販売につなげている。マツダの1−6月累計の販売は前年同期比32.4%減だったが、6月は4%減と大幅にマイナス幅を縮小した。三菱やスバルもマイナス幅が縮小している。 トヨタもトヨタ・レクサスブランドともに、徐々にマイナス幅は縮小している。
トヨタブランドは1−6月が前年同期比26.4%減、レクサスは同37.6%減だったのに対し、6月はそれぞれ11.4%減、11.7%減と改善した。ただ、トヨタブランドの国内シェアは、5月が46.1%で前年同月に比べ2.2ポイントの低下、4月は同46.6%と2.6ポイントの低下と、ややシェアが低下している。5月18日に発売した新型「プリウス」効果でどこまで復活できるかが鍵になる。
プリウスは6月25日までの累計受注が20万台と絶好調だが、国内向けの生産は増産しても月間2万台。納車まで7カ月待ちという状況で、プリウスだけに頼った販売回復には限界がある。ホンダがインサイトでユーザーを店頭に呼び込み、フィットなど他車種の販売につなげたように、トヨタでもプリウス効果を他車種の販売にも広げる必要がある。
1−6月の軽自動車と登録車を合計した新車販売台数は前年同期比21.5%減の218万6000台。単純に2倍にすると年間では437万台程度にとどまり、500万台を大幅に下回ることになる。登録車は1−6月が130万台で、単純計算すると年間260万台。3年前の2006年が371万台だったのに比べると100万台の減少になる。これは日産とホンダの販売台数を合計した台数とほぼ同じだ。
日本の自動車業界は、世界同時不況前から国内市場の縮小を止められずに来た。景気対策の効果が出ているこの機会を捉え、ユーザーに支持される抜本的な商品・価格体系の見直しを図るべきではないか。ディーラーの売り方も待ちの姿勢から攻めの姿勢に転じるべきではないだろうか。