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全社が増収増益に、
2010年度上半期決算から


 自動車メーカーの2010年度上半期(4−9月)の決算がまとまった。国内のエコカー補助金や海外での販売が増加し大型車2社を含む全社が前年同期にくらべ増収増益になった。国内はエコカー補助金の終了で下半期(10−3月)は販売台数が前年を下回る見通しだが、新興国を中心とした海外販売は増加する見通しだ。一方で円高ドル安による為替差損で利益は上半期に比べ大幅な減少を各社が見込んでおり、円高対策が加速しそうだ。
 乗用車メーカー8社の中間期決算は日本や海外の販売台数が増加した結果、全社が増収になった。大手3社の連結売上台数(出荷ベース)はトヨタが前年同期比18.7%増の371万5000台、ホンダが同12.0%増の179万7000台、日産が同36.2%増の185万9000台といずれも2ケタの増加だった。
 特に日産の売上台数は2008年9月の“リーマンショック”前の08年度上半期(177万2000台)も上回った。海外での販売が前年同期にくらべ44万台増加したことが主な要因だ。これに対しトヨタの海外売上台数は前年同期に比べ36万8000台増、ホンダは15万7000台増にとどまっており、日産の海外での好調さが目立った。日産は小型SUV(スポーツユーティリティビークル)「キャシュカイ」(日本名デュアリス)が好調。トヨタ、ホンダが減少した中で、日産は欧州での販売も増加した。
 国内向け出荷(ホンダと日産は軽を含む)は、トヨタ、ホンダ、日産とも、前年同期を上回るとともに、08年年度上半期も上回った。トヨタの10年度上半期国内向け出荷台数は78万3000台と前年同期に比べ15万5000台の増加、08年度上半期に比べると7万4000台の増加だった。新型「プリウス」のヒットが全体を牽引した。ホンダは32万2000台と前年同期に比べ3万6000台、08年度上半期に比べると4万2000台の増加だった。日産は32万1000台と前年同期に比べ5万1000台の増加、08年度上半期に比べると1万8000台の増加となり、減税対象車の設定拡大や補助金制度が各社の決算にプラスに寄与した。
 エコカー減税ではハイブリッド車の自動車取得税と重量税が免税になる。このためエコカー補助金との組み合わせで最も国内で販売を伸ばしたのがトヨタだった。だが、補助金と減税の恩恵を最も多く享受しただけに、補助金終了後の下半期の落ち込み幅も大きい。トヨタの計画では下半期の国内出荷台数は60万7000台と上半期の22.5%減、前年同期の35.3%減となる予想だ。通期でも同11.3%減の139万台となる。世界販売はダイハツ、日野を除いたトヨタ・レクサスブランド合計で657万台と前期の1.9%増にとどまる。
 上半期決算は中堅メーカーも含め好決算となったものの、下期は状況が一変する。下期の業績にマイナス影響となりそうなのは、エコカー補助金終了による国内販売の減少だけではない。欧米の景気回復の遅れを背景に一気に進んだ円高が下期はダブルパンチとなってメーカー収益に大きなマイナス影響を与ええる。メーカー各社は足元の急激な円高を受けて下期の対ドルの為替レートを1ドル=80円(トヨタは82円)に設定。これに伴い通期の為替予想も従来の1ドル=90円から、中間決算発表時点で1ドル=84〜86円に各社が修正を行った。前期に比べると7円〜9円という大幅な円高で、トヨタでは通期の営業利益が前年同期に比べ3200億円、日産では1850億円、ホンダでは1620億円減る計算になる。
 為替変動は中堅メーカーにも影響を及ぼす。マツダでは451億円、三菱では350億円、富士重工業では359億円営業利益が通期で減少すると見込んでいる。ユーロ安もあり、スズキも330億円のマイナス影響が出る見込みだ。為替変動による営業利益のマイナス額は乗用車メーカー合計で8000億円以上に上る。
 円高による影響を最小限にするため、現地販売価格を引き上げたり、現地生産車種の拡販を行ったりと、できるだけ為替影響を少なくする努力をしている。また国内で生産する輸出向けの車両への海外部品の採用を増やそうと海外調達を活発化する見通しだ。円高により、海外への生産移管が増える可能性もある。国内生産台数を維持するため、日産が国内シェア15%への引き上げを打ち出すなど、国内販売強化を打ち出すメーカーも出てきた。