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2010年軽自動車販売、ダイハツが
「タント」で車名別でも首位に?


 2003年度から7年連続で軽自動車の車名別販売第1位、暦年でも2009年まで6年連続1位のスズキ「ワゴンR」が、2010年は7年ぶりの首位陥落になりそうだ。1月から11月までの累計販売台数は前年同期比6.5%減の18万177台となり、ダイハツ工業の「タント」を500台余り下回った。タントが12月もワゴンRを上回れば、スズキは軽市場シェアに加え、車名別でもダイハツに首位の座を明け渡すことになり正念場だ。
 タントは11月の販売が前年同月比6%増の1万3217台となり、軽の車名別販売台数の1位だった。これに対し、ワゴンRは同15.1%減の1万2881台の2位で、前月から順位が逆転した。ワゴンRは1−11月の累計で前年同期を下回っているのに対し、タントの1−11月の累計販売台数は前年同期比31.9%増の18万716台と大幅な増加だ。ダイハツはエコカー補助金を活用し人気の背高ワゴンのタントを積極的に拡販した。

 ダイハツは06年度〜09年度まで、4年連続で軽自動車シェア1位を続けているが、車名別販売だけは、スズキがワゴンR の首位を死守してきた。今の勢いではダイハツが市場シェアと車名別販売の2冠をとる可能性がある。登録車では「プリウス」が2年連続で車名別販売の1位になるのが確実で、軽も制覇すれば、国内市場におけるトヨタグループの存在感が一段と高まる。
ただ、10月と11月の軽シェアは、2カ月連続でスズキがダイハツを上回った。1−11月はダイハツが34.9%、スズキが32.6%とダイハツが首位をキープしているが、スズキは10月が36.6%(ダイハツは36.2%)、11月が35.1%(同33.5%)とエコカー補助金終了後の厳しい市場環境の中で、僅差ではあるがダイハツを上回り追い上げている。2011年度はエコカー減税の最終年度であるため、軽2強の両社のシェア争いが激しくなりそうだ。
一方、軽の市場環境は2011年以降、税制面やトヨタの軽市場参入で大きく変化する可能性がある。エコカー減税終了後(自動車重量税は12年4月30日、自動車取得税は12年3月31日で終了)の自動車関係諸税については、自動車業界が長年要望する税制簡素化、ユーザーの負担軽減に向けた議論が11年12月の12年度税制改正大綱の論議で本格化する。自動車業界は、軽の税制こそが国際的な水準であるとして、軽の負担増ではなく、小型車の税負担を引き下げていくべきだとしている。小型車の税負担が軽減されれば、軽ユーザーの一部は小型車にシフトする可能性もある。だが自動車関係諸税は消費税率の引き上げ問題とも連動しているため、自動車関連諸税の先行きがどうなるかは未だ不透明だ。
 税制に加えて、トヨタの軽参入も軽の市場に大きな影響を与えると見られている。ダイハツからのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けて、トヨタは2011年秋からトヨタバッジで軽の販売を始める。11年秋から「ムーヴコンテ」と「ハイゼット」(トラック・バン)を導入、12年にさらに1車種を追加する。トヨタとダイハツは、トヨタバッジでの販売は年間6万台を上限にするとしているが、売れ行き次第では6万台を超えていく可能性も否定できない。ダイハツ販売店や、軽の自社開発・生産をやめダイハツからのOEMに切り替える富士重工業の販売店にとって大きな脅威だ。
トヨタの系列販売店では従来からダイハツの軽を委託販売している。販売店が強く要望していたとされるOEMが加わることで、トヨタ販売網での軽販売が一気に増える可能性がある。スズキとダイハツが7割を占める軽市場だが、トヨタの参入でダイハツや富士重のシェアが食われる恐れもある。