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千葉県自動車整備商工組合主催の
コンバージョンEV講習会が
開催された!


 日産自動車とマツダが新たなOEM(相手先ブランドによる生産)契約を結んだ。マツダが主力のミニバン「プレマシー」を日産に供給するというもので、乗用車での両社のOEMはこれが初めての事例になる。国内市場が縮小する傾向にある中で、メーカー間の相互補完が広がってきた。
 日産とマツダは1月28日、日産がマツダからプレマシーをOEM調達し国内向けとして5月に発売することを発表した。日産でのモデル名や供給台数などは未定だ。プレマシーと差別化するため、バッジの付け替えといった簡略なものではなく、外板のデザインも日産専用に変更するという。日産にはプレマシーと同価格帯の3列シート車「ラフェスタ」があるが長年モデルチェンジしておらず、OEM車が事実上、ラフェスタの後継になる可能性がある。
 両社はすでにマツダが「ボンゴトラック/バン」を日産に「バネットトラック/バン」として供給する一方、日産は「ADバン」を「ファミリアバン」としてマツダに供給している。商用車に加え、今回から新たに乗用車でも協力関係を結ぶことになる。
 自動車メーカーが主力車をライバルである他社に供給することは、これまであまりなかったことだ。しかし、マツダにとって日産への供給は、そのまま国内の生産台数を上乗せできるというメリットがある。マツダは国内生産の輸出向けの割合が8割と高いが、急激な円高により欧米向けの輸出採算が悪化している。とはいえ、海外に生産を移転し広島・山口の工場の生産量を減らせば地元経済への打撃が大きい。販売店からの反発は必死であるにも関わらず、日産への供給を決めたのはメーカーの事情が大きい。
 一方の日産は2010年末に三菱自動車との協力関係を発表したばかりで、相次いで他メーカーとの協力を拡大することになる。日産はスズキと三菱自から軽自動車のOEM供給を受けている。今では年間14万台を販売し、軽自動車市場でのシェアも月によっては10%近くに迫り、ホンダや三菱自といった軽メーカーと競うレベルにある。軽OEMは成功していると言えるが、それは日産が軽自動車を持っていなかったためで、新規商品の追加という意味で販売店が歓迎したからだ。しかし、今回のOEMは日産が国内向けモデルの投資を削減することを意味し、販売店や顧客の反応がどう出るのかが気にかかる。
 日産はグローバルモデルや電気自動車(EV)に経営資源を投入している。特にEVに関しては、アライアンス(連合)を組むルノーと共同で総額5000億円の投資を行っていく方針を示している。投資が嵩むのは何と言っても電池の生産だ。2010年からの国内での電池生産に加え、米国、英国、ポルトガル、仏でもEV用リチウムイオン電池を生産する計画を示しており、世界で年産50万台分のEV用電池の生産能力を確保することを当面の目標に掲げている。この規模になれば電池の生産コストが下がり、補助金なしでユーザーがEVを購入できる価格まで下げられるというのがカルロス・ゴーン社長の目論見だ。
 日産は自前で電池戦略を構築している。日本電気と共同出資の電池会社、AESC(オートモーティブエナジーサプライ、神奈川県座間市)は日産が過半数を出資し、所在地も日産の座間事業所内にある。海外の電池工場も日産が運営する方針だ。日産にとって電池を含めたEV事業を着実に成長軌道に乗せることが目下の最大の経営課題と言え、既存ビジネスについては他社との提携で効率的に行うという方向性が明確だ。
 ゴーン社長はかねてから「自動車メーカーは生き残りのため、世界中の全ての市場に対応せねばならず、1社ではとても無理だ」と繰り返している。協力関係は三菱自、マツダ、スズキといった日系メーカーだけでなく、欧州市場では「インフィニティ」ブランドの強化に向け独ダイムラーからディーゼルエンジンを含むプラットホームの供給を受ける。国内でも他社との協力関係がまだまだ広がる可能性がある。