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2012年度需要見通しは480万台


 日本自動車工業会(自工会、志賀俊之会長=日産自動車最高執行責任者)が2012年度の国内四輪車需要見通しをまとめた。補助金の復活とエコカー減税の延長により、乗用車とトラック・バス合計の需要台数は前年度比1.9%増の480万台を見込む。震災からの復興需要もあり、上半期の市場は堅調に推移するとの見通しだ。
 自工会は毎年、暦年と年度で需要見通しを発表している。昨年のこの時期は3月11の東日本大震災の発生により、11年度の需要見通しを見送らざるを得なかった。今年は昨秋以降の生産正常化を受け、通常通り発表することができた。それによると、11年度は震災で大きな影響を受けながらも471万台となり、10年度を2.4%上回る(一部推定)。これに対し、12年度は伸びが鈍化し、前年度比1.9%増の480万台になるという。乗用車は同2.0%増の406万台、トラックは同1.1%増の72万8000台、バスは同6.1%増の1万2100台という内訳だ。乗用車のうち、登録車は同0.4%増の271万台と微増、軽自動車は同5.5%増の135万台を見込んでいる。
 自工会は1月に12年暦年の需要見通しを発表している。それによると、乗用車、トラック、バスを合計した国内需要は、前年比19.1%増の501万5500台と、08年以来、4年ぶりに500万台を超える。震災による減産分の挽回に加え、11年度第4次補正予算で3千億円のエコカー補助金が復活したことと、エコカー減税が延長になったことで需要を押し上げるとの見通しだ。
 実際、日本自動車販売協会連合会がまとめている新車販売台数(軽を含む)は、昨年10月以降、前年同月に比べ2割の増加が続いていたのに対し、今年1月は前年同月比36.1%増、2月が同29.5%増と3割の増加に跳ね上がっている。特に登録車は1月が同40.7%増、2月が31.9%増と好調だ。この調子で需要が年前半に集中すれば、エコカー補助金が夏前にも底をつき、年度下期には需要が減速する可能性が高い。自工会は補助金による需要の変動を織り込んで、12年度需要見通しについては500万台を割り込む慎重な見通しを立てたようだ。
 一方、経済情勢は、これまでの悲観的な状況からやや改善しつつある。ギリシャの債務問題への不安は後退し、日本を含む世界主要国での金融緩和もあり景気への先行き不安が和らいでいる。米国の景気回復の足取りも確実さを増しており、為替は1ドル=83円台まで円安方向に戻った。輸出企業の業績回復への期待から、日経平均株価も1万円台を回復した。景気に対する先行き不安が薄らぎ、車の買い替え需要にも追い風になると期待される。
 タイミング良く、人気車も登場している。トヨタ自動車のコンパクトハイブリッド車(HV)「アクア」は、月間販売目標1万2000台に対し、発売後1カ月の受注が10倍の12万台に上った。補助金とエコカー減税の効果が相当あると見られ、3月6日時点で納期は3カ月以上となっている。アクアの生産を担当する関東自動車工業岩手工場(岩手県金ヶ崎町)では、アクアを月間3万台生産し、このうち2割を輸出に回している。春以降は、生産車種移管などにより、5千台程度の増産を検討している。
 トヨタと富士重工業は、共同開発のスポーツカー「86」(ハチロク)と「スバルBRZ」をそれぞれ4月6日、3月28日に発売する。トヨタは全チャンネルを通じて新型車を扱うほか、車のスポーツ文化を地域に根付かせる専門ショップ「AREA86」を各地で開設する。ハチロク向けのドレスアップパーツやチューニングパーツを販売店装着オプションとして豊富に取り揃える。三菱自動車はタイ製のグローバルスモール「ミラージュ」を今夏から日本でも発売する。マツダはクリーンディーゼル車「CX−5」を発売し、月間販売目標の1000台に対し、1カ月で8000台を受注した。HV、スポーツカー、低価格車、クリーンディーゼル車とバリエーションが増えることで、需要の活性化に期待がかかる。