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消費税増税で車体課税の
抜本見直しは実現するのか?


 2011年12月の税制改正大綱で復活したエコカー補助金は、8月中にも予算を消化する可能性が濃厚になっている。補助金終了後、9月以降の販売の落ち込みは避けられないが、自動車業界が本来、実現したいのは消費税との二重課税になっている自動車取得税、課税根拠をなくした自動車重量税の即時廃止だ。政府内にはエコカー補助金の延長論も浮上しているようだが、抜本見直しを避けるためのまやかしは批判こそあれ、もはや歓迎されそうにない。

 エコカー補助金は08年9月のリーマンショック後に大きく落ち込んだ景気を下支えする目的で09年4月に導入され、10年9月には予算を使い切り終了した。しかし11年12月の平成24年度税制改正大綱では、業界が要望していないにも関わらず突如として復活。代わりに業界が要望した自動車取得税、重量税の廃止はまたもや先送りされた。
補助金は需要を刺激し新車販売台数の増加につながり一時的に景気を押し上げる効果がある。しかし補助金でかさ上げされた需要はいわば意図的に創られたものであり、需要の先食いによる反動減は必ずある。販売現場の負担が大きく、効果も徐々に小さくなる。また、補助額が大きいハイブリッド車ばかりが売れるなど、市場構造を歪める結果にもなっており、補助金の連発には慎重論が自動車業界の中でも多いのが実態だ。政府内には景気への影響が大きい自動車の販売を維持するため、補助金を延長しようというアイデアが一部にあるようだが、自動車業界としては今年こそ、補助金に頼るのはやめて自動車取得税、自動車重量税の即時廃止に持ち込み恒久的な需要の底上げと活性化につなげていきたいところだ。
 特に消費税率引き上げがほぼ確実になった今、軽で3%、登録車で5%という取得税は必ず廃止に持ち込む必要がある。消費税率が現在の5%から14年4月に8%、そしてその後10%へと上がる中で取得税が温存されてしまえば、自動車の購入に関わる税金は跳ね上がり、買い控えによって国内生産がさらに厳しい状況に追い込まれる。道路特定財源が廃止されて課税根拠がなくなった自動車重量税も廃止されるべきだ。

 しかし、自動車関係諸税に対する財務省の抵抗はことのほか強い。それもそのはず、国と地方を合わせた租税収入98兆円(10年度)のうち、自動車の取得・保有・走行にかかる自動車関係諸税は9.5%、9兆3千億円にも上るからだ。税収の大きさは消費税(租税収入全体の12.6%)に次ぐもので、固定資産税(9.2%)よりも大きい。自動車関係諸税のうち取得税と重量税は合わせて1兆7千億円以上に上る。しかも販売会社や整備工場を通じて確実に徴収出来る税であり、財務省としては絶対に手放したくない安定的な財源だ。

 長年の度重なる業界の要望に対し、財務省は、代わりの財源を確保してこなければ廃止には応じないというペイ・アズ・ユーゴー原則を盾に抵抗を続けている。自動車ユーザーの負担軽減を目的とする自動車業界の主張と財務省の立場は真っ向から対立しており、今後も自動車関係諸税の抜本見直しは難しい課題であることに変わりない。だが、公平な税負担という観点からも、取り易いところから過重な税を徴収してきた今までの税体系は変える必要がある。日本自動車工業会(自工会)など自動車関係団体は8月に税制改正要望書を提出する予定で、来年度税制改正に向けた前哨戦がまもなく始まる。