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第1回 ISO14001:その2「環境への影響を知ろう」
 

 環境マネジメントシステムに取り組む際に、最初の「計画」としてやるべきことから話を始めます。今回取り上げるのは、ISO14001規格では「4.3.1環境側面」と「4.3.2法的及びその他の要求事項」に該当します。

 

■環境影響の評価と環境側面の特定
  まずは皆さんの組織が環境にどんな影響を与えているかを調べてみましょう。 図1-1にしたがって、事業所や工場が普段の業務活動を行っているときに、どのようなものが入ってきて(インプット)、出て行くか(アウトプット)を把握することからはじめます。

 例えば自動車整備工場の場合で簡単に考えてみましょう。 インプットしては、整備する車両、補修・交換用のさまざまな部品や液油脂類などが工場に搬入されることになります。その他にも、場内では電気、灯油、ガス、水道を使うため、これらエネルギーも入ってきています。

 一方で、アウトプットとして出て行くものは、製品である完成車両だけであれば望ましいのですが、交換済み部品・パネル類や廃液油などの廃棄物も発生します。その他に、大気中には排気ガス(CO2など)が放出され、エンジン音や機械の作動音なども場外に出て行くことになります。また汚水は水系に排出され、液油脂類なども土壌に染み込んでいる場合があります。

 インプットとアウトプットはできる限り細かく分類して調べることが必要です。なぜなら、これらのすべてが皆さんの事業所が「環境に及ぼしている影響」だからです。また工場の場合は、いくつかの異なる製造工程や作業工程があるでしょうから、それぞれの工程ごとにインプットとアウトプットを調べるといいでしょう。 また製造業者の場合は、生産した製品が使用されている場面も分析の対象としましょう。

このようにして、多くの環境影響が洗い出されますが、それらのすべてを管理して低減することは困難です。よって特に環境に与える負荷の大きいものや、比較的容易に低減ができるものを選択して取り組みの対象とすることになります。

環境影響の評価と、その結果からどの様なものを選択して取り組むと効果的であるかは、これから環境マネジメントを進める上でとても大事な計画になりますので、専門家に相談したり、既に取り組みを行っている同業の事業所を参考にしてみましょう。

環境影響を発せさせる原因となる活動・製品・サービスは「環境側面」と呼ばれ、それらを重点的にコントロール(管理)してゆくことで、組織が環境に及ぼす悪い影響は低減し、また良い影響があればそれを助長することになります。

■法律・規制の特定
  みなさんの事業活動と関連している環境関連の法律や規制には、どのようなものがあるかを調べなければなりません。これらには、国が定めているさまざまな環境関連法の他にも、地方の条例、地域住民との協定などが含まれます。 法律の中には、守らなければならない手順や基準値を定めたものから、許可・届出を要求しているものまであります。

 大事なことは、関連する法律・規制の情報をどこから得るかということ、定期的にその情報を参照して変更があれば最新の要件をつかんでおくこと、そして順守しているかを評価することです。

 法律・規制の情報源としては、環境省のホームページや自治体の窓口などを活用しましょう。またISOの環境法に関する書籍もいくつか発行されていますので、一冊所持することをお薦めします。

 関連する法律・規制と順守すべき内容は一覧にまとめて文書化するといいでしょう。そして時期を定めて社内での順守状況を評価し、その記録を残すようにします。

  中小の事業所においても、廃棄物処理法や消防法はほとんどの事業所が該当するため、これらの法律の要求はぜひ知っておきたいものです。

 

 
  国際マネジネント診断協会・アイエル経営診断事務所  
  代表  板 賀 伸 行
 経営コンサルタント(中小企業診断士)
 ISO/QMS 主任審査員

過去に大手自動車会社において海外各国の自動車開発・生産プロジェクトを担当。その後、コンサルティング会社等を経てアイエル経営診断事務所を設立、中小企業の経営支援を開始。国や地域の中小企業支援センターのアドバイザーも務める。
経営資源の少ない小規模事業者のビジョン実現をサポートできる今の仕事に生き甲斐を感じています!
趣味はアウトドア系なら何でも関心があり、毎年新しいチャレンジ(冒険?)をしています!