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◆求める人材の確保は周到な準備とタイミングで決まる |
「会社は誰のものか」、この言葉を聞くと、「ああ、アレね。」と思われる経営者の方は沢山おられるでしょう。
そうです、記憶に新しいあの「ライブドア」と「フジテレビ」の企業買収から端を発した議論のテーマが正にこれでした。最近ではさすがに話題に上ることは減ってはきていますが、事の重要性はいささかも軽んじることはできません。ここでは、やれ株主のものだとか社員のものだ、いやいややはり社長の権限は大きいなどの議論をする場でもありませんし、目的も違いますので、本題の新卒の採用における影響度という観点で考えてみたいと思います。
ちょうどあの事件?(出来事といった方がよろしいですね)があった1月下旬から4月にかけては新卒の採用シーズン真っ盛りで、連日のように全国のどこかで就職情報関連企業が主催するセミナー、説明会、就職ガイダンス、講演会やらが目白押しでした。
ある自動車販売会社の人事コンサルタントをしている私は昨年の9月から採用戦略を練りこみ、自分でもうっとりするくらいの完璧なプログラムと仕組みを作り上げ、さあどうだと言わんばかりにR社の担当者を呼びつけ、具体的な採用活動のスケジューリングの作業に入ろうとしたら、何と、「清水さん、もう来年の採用活動はとっくに始まっていてもう終盤です。今から合同企業説明会の枠なんて取れませんよ。」との冷ややかな言葉。エェーそんな・・・。
昨年は年末から年明けになってからゆっくり考えても十分間に合ったのに、一体全体今年はどうなったの?と半ば蒼くなりながら、しかしそこはコンサルタントの肩書きを持つ身。努めて冷静に問いただすと、R社の担当者もよくわからないとの返事。夏くらいから各企業からの引き合いが増え、あれよあれよという間に主要都市で開催される合同セミナーの出展企業ブースの枠が埋まってしまったらしい。特に東京、大阪の大都市圏はあっという間だったそうな。
慌てて今までの付き合いを盾に某新聞社系列の枠を無理やり押さえてもらい、とにかく主要都市で開催する合同セミナーには顔を出すという対面は保てたのですが、全面的な採用戦略の見直しを迫られ、コンサルタントの面目丸つぶれになったことだけは確かですね。 |
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