さて、第3回目の「人を活かす・育てる」では新卒採用から内定者フォローのプロセスにおいて感じたことを書き連ねてみます。
第1回目のこのコラムで、ある自動車販売会社の社長のコメントで、「人は皆同じ能力を持っているから、要は採用してからの教育こそ大事なんだ・・・・・」というくだりを紹介しました。これは裏返すとデキの悪いのは「教育」のせいだ、だから教育担当者であるアンタが悪いという「風が吹けば桶やがなんとか」も真っ青な推論の飛躍をしていただいてしまうようなものですから、コンサルタントとしてはここが踏ん張りどころです。
「いや社長、やはり人は単なる材料ではなく会社の財産です。「人材」から「人財」になるには時間がかかります。そして、やっぱり「ダイヤの原石」を探さないと駄目です。」と説得する羽目に陥るのです。
かくして採用に経営資源を注ぎ、どんどん若いエネルギーを会社に注入していくことになるのですが、私がお手伝いしている会社は、過去にそれほど新卒を採用しておらず、中途採用でやり繰りしていたところがあり、かつ規模も中小企業の域を出ません。
従って、人を一から育てるためのインフラがまったく整っておらず、当然のように古い価値観と新しい価値観のぶつかり合いが生まれます。これがいわゆる企業の中の雑然とした風土を生み出す原因にもなってしまうのです。
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