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VOL22  外板パネル修理の基礎知識

3. ハンマリングの基礎

 実は外板パネルの修理には、2種類のハンマリングの基礎しかありません。
 それは、オンドリーとオフドリー(写真2)です。昔の職人さんの言葉で言うと、カラ打ち慣らし打ちです。損傷したパネルをカラ打ちなど行いたたき出し、その後慣らしを行い、細かい成型をしていく、ハンマリングには、この2種類しかないはずです。
 このようにシンプルですから、作業の熟練度によって、作業時間の短縮や、仕上がり精度の違いが、如実に出てくると思われます。
 ですから本来は、叩く練習をやってやってやりまくり、体で覚えていくものでした。昨今の若い作業者に対して、職人的な習得に理論的な言葉や見本を示し覚えさせていく、これが重要だと思います。
 まず粗だしを行うには、オフドリーを多用し、テコの原理で少しずつ、形だしを行っていき、損傷の範囲を、なるべく広げないようにする。オフドリーの時のドリーの選択は、パネルの形になるべく近いものを使用し、アールや丸みがある場合は、そのアールや丸みより、少し小さいものを使用する。



 ハンマーとドリーの重みの比率は、最初ハンマー1に対し、ドリー3程度の重さの割合で使用し、熟練してきたら、損傷やパネルに合わせて、自分にあった比率の変化をさせていく。また、力の入れ具合も同様で、叩くハンマーの力に対し、合わせて押さえているドリーの強さも、3対1程度にし、熟練後、重さと同様に損傷やパネルに合わせて変化させていく。
 粗だし終了後、オンドリーとオフドリーの併用で、細かい損傷の凹を取っていきます。オンドリーの場合は、強く叩き過ぎてパネルの伸びを起こさないように注意し、極力オンドリーでのハンマリングの回数を減らして、成型していきます。
 また、オンドリー時には、ハンマーとドリーの当たる部分は、あくまで点と点でしか当たらず、ドリーの位置の確認を怠らず、十分によく見極め、慣れるまでは、パネルをハンマーで軽く叩きながらドリーを当て、位置をよく確認してから、慣らしを行い、パテの成型時と同様な、ガイドコートをヤスリ等で損傷面に付け、凸凹をなるべく目で確認できるようにする。

 どうでしょうか、皆さん若い社員に同じように、指導できているでしょうか?
なかなか難しいですよね。当然会社は学校でなく、食べるため、生きるため、お給料をも
らうために来ています。
 将来のための会社にとって、一人一人の負担を減らすため、若い社員の育成も大変重要だと思います。従来ある技術と、新しい技術の融合、この基礎を作る、言葉や手本の考え方、それが非常に重要だと思います。
 ですからまず「基本」これが重要です。
 来月は、この後について書かせていただきます。

鈴木 一也 氏(鈴木オートサービス代表)



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