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VOL26 塗料の水性化と環境対応ついて

今回は、ここ最近業界の内外で、大変話題になっている「水性塗料と環境対応」について書かせていただきます。
ここ数年、京都議定書の発表後、自動車業界だけでなく、個人の意識や企業理念等で環境問題について、様々論議されて考えさせられ、鈑金塗装業界も具体的な行動が求められています。そこで、水性塗装が大変注目されているのです。
我が社でも、水性塗料を本年度中に導入計画で、各塗料メーカーのデモや、導入済みの工場への見学を頻繁に行っています。
デモや工場見学から学んだことを中心に、わかる範囲で報告いたします。

1. 水性塗料とは

基本的に、塗料のすべてを水性化にはしていません。下地のサフェーサー、上塗りのクリアー、この部分は、ほとんどのメーカーが今までどおりの、溶剤タイプを使用しています。ほぼすべてのメーカーが、ベースカラーのみの「水性化」で対応をしています。
水性といっても、完全な水の状態ではなく、その中に少量のアルコールや、溶剤を添加しています。いわゆる、完全水性ではなく、「水系の塗料」と言うことです。



2. サフェーサーの水性化のネック

水性系のサフェーサーを用意している、メーカーのデモを一社拝見しました。
隠蔽率を上げるために色々な努力をしていて、大変関心しましたが、膜圧の保持が少なく、マックスでの膜圧と、正確な吹き回数の定義がまだできていませんでした。
具体的には、最近の外資メーカーの膜圧は、最大300ミクロンですが、そのメーカーの最大膜圧は半分も行かないと言う回答でした。
それゆえに、下地処理をかなりシビアに行わなくてはならなく、かなり苦労してしまうはずだと思われました。



3. クリアーの水性化のネックと、各社の対応

上塗りのトップコートは、ほぼすべてのメーカーが塗料のハイソリッド化により、塗料の固形分を多くし、塗り回数の低減化を図り、溶剤分の使用低減化に対応しているようです。
具体的には、我が社で行っていた、1.5回塗りでの仕上げをハイソリッドのクリアーで行うということです。まあこの部分は、小学生でもわかる算数で、単純に普段10の物を三回以上使用していたところを、環境対応にし10を7に減らし尚且つ使用頻度を1.5回にすれば、単純計算でも半分以下になるということでしょうか。
また、水性化クリアーを用意しているメーカーも数社あり、各社ともカルピスのような乳白色の色をしたクリアーを、ベースカラーと同じ要領で使用していました。
私自身も作業をさせてもらいましたが、少し使いづらかったです。理由は、通常の溶剤タイプと違い、目で見てのレベリング(肌ですかね)の確認をしながらの作業ができず、仕上がりの確認をしながらの作業ができないからです



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