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Vol.8 車検受付時の問診と提案 |
皆様、こんにちは。「検査員 ヒデ」でございます。平成20年を迎え、検査や車販はどうでしょうか? 当社の昨年実績は、車検台数は若干伸びて前年対比103%でした。台数は、恥ずかしいので内緒にしておきます。しかし、工賃売上を作業別で分析したところ、ニューサービス車検の工賃売上は上がりましたが、「一般車検」、「一般整備」及び「その他の工賃」は落ち込みましたね。自社や全国の整備工場のデーターを見ても、同じような落ち込みが見られます。これを打破するにも、何かお客様にアピール出来る事や、工賃売上が上がるような事を、今年は考えなければならないと思っております。 昨今、ディーラーの囲い込みや雑誌やインターネットなどの豊富な情報でお客様が賢くなってまいりました。しかし、インターネットの情報一つを考えてみても、整備工場に良い情報もあれば、悪い情報も色々あります。この度は、そう言った情報も取り入れながら、お客様への話法を考えてみたいと思います。 まず、自社では、車検時にお客様への立会いをお願いしております。「立会い車検」が基本となっておりますので、約1時間程度、お客様と接する時間があります。まず、お車が入庫された時点で、走行距離、年式、事前メンテンスなどを、お聞きするのですが、その時に出来るだけ詳しくお聞きするようにしています。 通常メカニックや営業マンが対応した時の問診は「お車の気になるところは無いですか?」「エンジンオイルの交換はどうしましょう?」「オイルエレメントの交換時期ですよ」などしか聞かれないのではないでしょうか?自分は、出来るだけわかり易くご説明を挟みつつ、前回車検からのメンテナンス状況を確認しています。 事例を考えたいと思います。 検査員: 「いらっしゃいませ。こんにちは。只今から車検をさせて頂きます検査員ヒデでございます。よろしくお願いいたします。 お客様のお車は、スズキのワゴンRで走行が72,000キロですね。年式が平成13年式ですのでこの度が3回目 の車検となります。間違いございませんね。」「お車に付きまして何点か確認させていただきます。まず、お車はどの ようにお使いになられていますか?」 お客様: 「普段は通勤に使っています。往復で30キロ位かな」 検査員: 「ありがとうございます。そうですか。それでしたら、1ヶ月で大体1,000キロ位は乗られますか?1年間で12,000キロ 位ですね。それでしたら、エンジンオイルなどの交換は定期的にされていますか?」 お客様: 「何時変えたかわからないけど、5,000キロ位に1回交換していますよ。」 検査員: 「さようですか。前回、オイルエレメントの交換をされましたか?ところで、通勤の時には渋滞などが多いのではない でしょうか?」 お客様: 「前回の事は分らないです。通勤に時にはずっと渋滞ですね。」 検査員: 「ありがとうございます。分りました。オイルエレメントに関しては、お車で確認させて頂きます。オイルエレメントは1万 キロに1回程度、又はエンジンオイルの交換2回に1回の交換が良いと言われています。お客様の使用状況から 考えますと、最低半年に1回の割合でエンジンオイルの交換を、オイルエレメントは1年に1回交換するとエンジンに とっていいですよ。」 「前回の車検やメンテナンスでプラグやブレーキパッドの交換はされましたか?」 お客様: 「以前の車検は車屋さん任せだったから分らないですね。」 検査員: 「分りました。一度お車を拝見させて頂きます。」 上記の話法で確認出来る事は、 1.使用状況が通勤で渋滞が多い 2.エンジンオイル、エレメントなどの知識はあるが、何時交換したか分らない。 3.大まかな知識はあるが、それ以上の知識は無さそうに見える。 4.年間1万キロ走行される。 などですね。こういった問診で、渋滞が多いためブレーキパッドが少なくなっている可能性、走行のわりにプラグの磨耗が多い可能性が把握出来ます。前回の記録簿なども確かめながら確認をするのも良い方法です。 上記のお客様のお車を拝見させて頂いたところ、やはり、エンジンオイルの交換距離は以前から8000キロ位で、オイルエレメントは前回の車検時にしか交換をされていませんでした。また、前回の検査が53,000キロだったので、プラグ、エアーエレメント、A/Tオイルなどの交換はされていましたが、ブレーキオイル、ブレーキパッド、LLCの交換がお勧め状態にありました。立会い後ご提案で、エンジンオイル、オイルエレメント、ブレーキオイル、パッド、LLCの交換を差し上げました。 しかし、お客様の使用状況から考えて、この度は燃費向上の為にエンジン内部の洗浄をお勧めしてさせて頂きました。また、使用状況からプラグ、エアーエレメントとA/Tオイルなどは3万キロ位(1年後)で交換をするのと、オイル、オイルエレメントのチェック(必ず半年毎)、今後法令12ヶ月点検を受けられた方が良いと、お伝えさせて頂きました。 この結果、お客様は、半年に1回の割合でお車を自社に入庫して頂いております。また12ヶ月点検もさせて頂きました。こういったお客様を増やすことによって、自社への入庫率を高めてはどうでしょうか? 車検受付の時点でお客様の使用状況を把握する事によって、メカニックであれば今後のメンテナンスプランを立てられる事と思います。受付の時点で、あまり問診をしないと、メカニックがこの自動車は2年間メンテナンスをしないようなプランを考えます。当然、プラグ、エアーエレメント、A/Tオイルなどの交換をしてしまうので、車検料金はぐっと増えてきますので、お客様は納得性について疑問が残ります。「今回の車検は高かった。何を交換したのか分らなかった。そんなにかかるのであれば一言言ってほしかった。」などと言われるのではないでしょうか? また交換時期を前もってすることによって、ゴミや使える部品などを捨ててしまうよりかは、ベストな交換時期に交換をすれば、お客様のお顔を何度も拝見でき、お客様とのコミュニケーションが出来るので次回のお乗換えでもお話が出来ることと思っております。使える部品は使い、出来るだけゴミを増やさないことで地球温暖化に一役かってみてはどうでしょうか |
検査員 ヒデ |
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