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@i-VTEC これについては、技術トレンド第4回に詳しく説明してありますので参照してください。ここでは簡単に説明しておきます。
エンジン低負荷時(クルーズ状態で走行、一定条件内で)にインテークバルブの片側の閉じるタイミングを遅らせる機構がi-VTECです。この機構によって、低負荷時にも通常より大きくスロットルバルブを開けることができるようになり、空気の吸入抵抗(ポンピングロス)を減らし、燃費の向上と排出ガスの低減を実現させています(図1)。
Aバランサ機構
このエンジンには、4気筒エンジンの二次振動を効果的に低減させる2本のバランサシャフトがシリンダロアブロックの下に配置されています(図2、写真3)。これはクランクシャフトがバランサチェーンによってリアバランサシャフトを駆動させ、リアバランサシャフトがヘリカルギアによってフロントバランサシャフトを反転駆動させています。またバランサケースを上下分割にし、半割のベアリングを採用することでバランスウェイトとジャーナルの外径を最適化しています。
B3ステージ樹脂製管長切換えインテークマニホールド
インテークマニホールドに吸気管長の異なる2系統の吸入通路を設け、コンピュータからの信号でアクチュエータを作動させて通路の切換えを行って低速・高速とも十分な動力性能が得られるようにしています(図3、写真4)。約3200rpmまでと約4700rpm以上のエンジン回転数では、コンピュータの信号によってアクチュエータが作動してバイパスバルブが開き、プライマリ側に加えて吸気管長が短く、径の太いセカンダリ側からも空気が吸入されます。また3200rpmから4700rpmのエンジン回転数のときは、アクチュエータがバイパスバルブを閉じて吸入空気が吸気管長が長く、径の細いプライマリ側からのみ吸入されます。
なおバイパスバルブには、モニタが付いていて、コンピュータが信号と作動が一致しているかどうかを監視しています。
Cピストンオイルジェット
シリンダブロックからオイルを噴射して効果的にピストンを冷却するピストンオイルジェット(写真5)を採用したことによって、耐ノッキング性能を向上し、高圧縮比化(10.5)に貢献しています。
これらの技術によって、全域で高トルクを発生し、特に市街地での発進・加速で多用される低速トルクを向上しています。 |
図1.i-VTECのイメージ図。低負荷時にインテークバルブの片側を閉じるタイミングを遅らせる。 |
図2.新しく設けられた二次振動低減用バランサシャフトは2本シリンダロアブロック下に配置される。 |
写真3.2Lエンジンのカットモデル。シリンダブロック下のバランサシャフトが見える。 |
図3.樹脂製管長切換えインテークマニホールド。1.8Lエンジンは2ステージだったが、2Lエンジンでは3ステージで切り換えられる。 |
写真4.2Lエンジンのカットモデル。樹脂製インテークマニホールド側。 |
写真5.効果的にピストンを冷却するピストンオイルジェットを採用している。 |
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