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第第19回 トヨタ1,8L2ZR-FEエンジン |
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●主な特徴 |
このエンジンで最も注目されるのは、最新のテクノロジーであるデュアル(Dual)VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)を採用したことです(写真2)。一般的な吸気側可変バルブタイミング機構に排気側にも可変バルブタイミング機構を追加して、吸気側だけでなく排気側も最適なバルブタイミングに制御することで、燃焼効率を高めています。 点火プラグの細径化などで、よりよい燃焼を実現しているほか、軽量ピストン(写真3),低張力ピストンリングやローラーロッカーアーム(写真4)の採用で、フリクションロスも大幅に低減して低燃費(10・15モード走行燃費はアクシオ2WDが17.2、フィールダー2WDが16.8q/L)・排出ガスのクリーン化(平成17年基準排出ガス75%低減レベル)と優れた動力性能(最高出力100kW/6000rpm、最大トルク175Nm/4400rpm)を両立させています。 また樹脂製インテークマニホールド(写真5)の採用やエンジンフロントのモジュール化(写真6)および従来型(2ZZ-FE)より17mm短縮した全長サイズなどで、1.8Lクラスのエンジンとしてはトップレベルの軽量コンパクト化も実現しています。 |
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●デュアル(Dual)VVT-iの構造と利点 |
これは運転状態に応じて吸気および排気用カムシャフトを最適なバルブタイミングに制御するものです。図1にバルブ関連部品の分解図とバルブタイミング図を示します。 カムシャフトは合金鋳鉄製で、カム部に高周波焼入れを施したうえ表面仕上げ精度を向上させて耐摩耗性の向上および低フリクション化を図っています。また動弁系駆動機構としてローラーロッカーアーム(ニードルベアリング内蔵の板金プレス小型アーム)を採用してコンパクト化するとともにカムと摺動部のフリクションを大幅に低減させることで低燃費化を図っています。そのためカムプロフィールを凹R付き形状とし、バルブの開き始めと閉じ終わり付近のバルブリフト量を増加させて出力を向上させています。 そのほか、小型タイプ(外径φ12)の油圧式ラッシュアジャスタを採用してバルブクリアランスの調整を不要にしています。またオイルデリバリパイプでロッカーアームへの潤滑を行っているので、摺動部に確実に潤滑油を供給しています。 図2にVVT-iコントローラの構造と作動の一例を示します。駆動時の摩擦が低く高効率なベーンタイプのVVT-iコントローラを採用しています。吸気(インテーク)側、排気(エキゾースト)側とも4枚ベーンタイプとしています。エンジン停止時には吸気側ベーンは最遅角位置、排気側ベーンは最進角位置でロックピンで固定されます。エンジンが始動すると油圧でロックピンは解除されます。なお排気側には進角アシストスプリングが設定され、エンジン停止時にロックピンが確実に嵌合されるように進角方向へトルクをアシストします。 各センサの信号を基にエンジンコントロールコンピュータは、シリンダヘッドカバーに取り付けられているOCV(オイルコントロールバルブ)のスプール弁の位置を制御して油圧をVVT-iコントローラの進角室および遅角室に作用させることでベーン部を回転させてカムシャフトの位相を連続的に可変させます。 このデュアルVVT-iの効果を図3に示します。運転状態に合わせた最適バルブタイミングを設定することで、低燃費と高出力そして低排出ガス性能を両立させているのです。 |
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