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図1は、4輪アクティブステアの構成部品配置図で、図2はシステム構成図です。
構成部品と役割は、次のとおりです。
@4WASフロントコントローラ(写真1)は、各センサの信号によって4WASフロントアクチュエータを制御しています。万一電気系統および機械系統に異常が発生した場合、フェイルセーフ機能によって前輪はステアリングホイール回転分の切れ角となり、後輪の舵角は停止します。また高負荷状態および過熱状態が続いた場合やフロントコントローラに入力信号が入力しない場合(バッテリ電源が一時的な異常時)は、保護機能で一時的に4WASシステムを停止状態にします。なお4WAS通信線で4WASフロントコントローラと4WASメインコントローラは、最適な4WASシステムの制御を行うために、双方ともに送受信を行っています。
A4WASフロントアアクチュエータ(図3、写真2)は、前輪舵角を駆動しています。ステアリングホイールを操舵すると4WASフロントアクチュエータもともに回転します。これは4WASフロントロックソレノイドバルブ(ロック機構)、前輪舵角センサ、4WASフロントモータ、ギアシャフト、スパイラルケーブルから構成されています。4WASフロントロックソレノイドバルブは、4WASフロントコントローラで制御され、4WASフロントアクチュエータをロックまたは非ロック状態にします。アクチュエータに強い力(回転方向)が加わった場合、ロック機構部(ホルダ)が力を吸収してロック状態にします。前輪舵角センサは、フロントモータの回転角を検出し、フロントモータはフロントコントローラからの指令値で回転数を制御しています。ギアシャフトは、フロントモータの出力軸で、スパイラルケーブルはフロントモータの動力線と各信号線です。
B4WASメインコントローラ(写真3)は、各センサの信号で4WASリアアクチュエータと車速感応式電子制御パワーステアリング(油圧を電動ポンプで供給する方式。以下EPS)のソレノイドバルブを制御しています。万一電気系統や機械系統に異常が発生した場合、フェイルセーフで前輪はステアリングホイール分の切れ角となって後輪の操舵は停止します。フェイルセーフ機能時にステアリングの操舵力を維持するために4WASメインコントローラでEPSソレノイドバルブの作動電圧値を制御します(車速信号の異常を検出した場合はエンジン回転信号でEPSシステムを制御する)。またメインコントローラに入力信号が入力しない場合(バッテリ電源が一時的な異常時)保護機能で一時的に4WASシステムを停止状態にします。なお4WAS通信線でフロントコントローラとメインコントローラで最適な4WASシステムの制御を行うために双方ともに送受信を行っています。
C4WASリアアクチュエータ(図4、写真4)は、後輪舵角を駆動しています。非可逆効率性能を持つハイポイドギアで路面外力に対する後輪のトー剛性の確保を行うとともにシステム故障時に中立を保持します。これはハイポイドギアのほかに、オフセットシャフト、リアモータ、後輪舵角センサなどで構成されています。 |
図1:4輪アクティブステアシステム(4WAS)の構成部品配置図。 |
図2:4輪アクティブステア(4WAS)システムの構成図。
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写真1:フロントアクチュエータを制御する4WASフロントコントローラ。 |
写真3:後輪を制御する4WASメインコントローラ。 |
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