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第28回 マツダデミオのミラーサイクルエンジン |
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●新開発のミラーサイクルエンジン(写真2) |
●ミラーサイクルエンジンに採用されている主な技術(図3) |
@膨張比のアップと吸気バルブ遅閉じ:ピストントップランド形状を変更して、標準の1.3リッター(オットーサイクル)エンジンの圧縮比10:1に対して膨張比を11:1に拡大しています。さらに吸気側カムシャフトのカムプロフィールを変更して吸気バルブのタイミングを遅閉じ(ABDC59°→80°)としてノッキングを抑えながら熱効率を高めるとともにポンピングロスを低減しています。これによって定常・加速走行時とも低燃費を実現しています。ミラーサイクルを採用したエンジンの性能は、最高出力66kW(90PS)/6000rpm、最大トルク120Nm(12.2sm)/4000rpmを発揮しています(図4)。これは標準のオットーサイクルを採用した1.3リッターエンジンにわずかに劣る程度です。 AS-VT(シーケンシャルバルブタイミング)の使用域拡大:S-VT(連続可変バルブタイミング機構)の作動域を高回転域まで拡大し、S-VT位相角を拡大することで圧縮比の縮小に伴うトルクの低下を最小限に抑えています。 BCVTとの協調制御:エンジンとCVTの各コントロールユニットが相互通信を行い、常に最適なエンジン運転状態/CVTのシフトパターンをコントロールすることによって燃費とパフォーマンスを高次元でバランスさせています。 |
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●マツダでは初採用のCVTの特徴 |
デミオでは、マツダで初めてCVT採用グレードを設定しました(写真3)。エンジンとの協調制御で、プーリー比を走行状況に応じて無段階にコントロールすることで、燃費の向上とリニアな加速フィールを両立しています。アクセル開度が小さい定常走行時や緩やかな加速時などには、プーリー比を高速化してエンジン回転数を下げ、燃料消費を抑えます。一方アクセル開度の大きな加速時には、プーリー比を低速化してエンジン回転数を上げ、大きな駆動力を確保しています(図5)。さらに低速のファイナルギアの採用で、力強くゆとりある加速フィールを発揮します。 |
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●CVTの各種制御内容 |
@エンジンとの協調制御:アクセルペダルの踏込み量や車速、路面勾配、外気温、エンジン補機類の状態に応じて、電子スロットル、A-VT、CVTのプーリー比をコントロールします。エンジンの燃焼効率を最適な状態に保って優れた燃費を実現しながら、ドライバーの意志にリニアに応答する加速フィールを発揮します。また、急加速時などのすばやいアクセル操作によって、加速ショックの発生が予想されると、電子スロットルを制御してアクセル操作時のレスポンッスを損なうことなくショックを低減します。 Aニュートラルアイドル制御:信号待ちなどでDレンジのまま停車している場合には、CVTを自動的にニュートラル状態に近づけるとともに、エンジン回転数を低く抑え、エンジンの負荷を軽減して燃費の向上を図っています。 B登降坂制御:アクセル開度と車速から上り坂では3段階、下り坂では2段階の勾配判定を行い、シフトパターンを自動的に変更してエンジン回転数を高回転で維持します。これによって再加速時の駆動力/エンジンブレーキ力が確保され、Dレンジに入れたままでのイージードライブを演出しています。 Cオートパワー制御:頻繁なアクセル操作や加減速が行われている場合は、自動的に走り志向のシフトパターンに変更し、ドライバーの意志にかなった走行フィールを発揮します。 以上のようにCVTは、きめ細かい制御ができるので、ミラーサイクルエンジンの復活に貢献したといえるのです。 |
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