ハイブリッドシステムの高効率化を目指して、各構成ユニットの小型・軽量化を追求したほか、従来の基本構造を継承しながらリダクションギアを採用するなどの進化を遂げています(写真2)。
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① |
ジェネレータ(MG1。発電機):
駆動用のモーターに大きな電 力を供給し、高出力バッテリへの充電も行う発電専用のモーターです。集中巻きによるコイル形状の工夫によって小型・軽量化を達成しています。
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② |
モーター(MG2):高回転化・高出力化を図り、最高出力は従来型の50kWから60kWへと向上。同時にトルクを増幅させ、リダクションギアの採用などで小型・軽量化を達成して優れた燃費性能を実現しています。
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③ |
動力分割機構(プラネタリギア):エンジンからの動力を車輪(出力軸)と発電機に分割して伝達していくための装置。またエンジン、モーター、ジェネレータを結合して、それぞれを最適に制御することで、シームレスな加速を生み出す電気式の無段変速機として機能します(写真3)。
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④ |
リダクションギア:モーターのトルクを増幅することで大きな駆動力を発生し、パワフルな走りとシームレスな加速をもたらす機構。モーターの小型化と高出力化にも寄与しています。
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⑤ |
高出力HVバッテリ:モーターとジェネレータ(エンジン始動時)に最適な電力を供給する高出力のニッケル水素バッテリを採用しており、小型化と出力アップを図っています。電池パックにはデッドスペースを徹底的に失くすよう冷却システムやメインリレーを最適に配置しています。また冷却系については、吸排気ダクトやファンを小型化するなど、低燃費はもちろん車両の軽量化、ラゲージスペースの拡大にも貢献しています(写真4)。
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⑥ |
パワーコントロールユニット:バッテリの直流電流とモーター、ジェネレータ駆動用の交流電流を最適に制御する機構で、可変電圧システムの昇圧コンバータでシステム電圧を従来型の最大500Vから650Vまでに高めます。さらに冷却系の見直しで大幅な小型・軽量化およびモーターのトルクアップを実現して、システムのさらなる高効率化と高出力化を達成しています(写真5)。 |