まるでレールの上を走っているような操縦安定性を生み出す専用設計の4輪独立懸架サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン式を採用していますが、今回リアサスペンションに新型マルチリンク式を採用して、心地よい乗り心地と俊敏なフットワークを両立させています。
このリアサスペンションは、日産独自のリンク配置最適化で、サスペンションの高い横剛性によるハンドリング向上と低剛性メンバーインシュレータでロードノイズ低減を高次元で両立させています(写真1)。またサスペンションメンバーの高剛性化でロードノイズ低減効果を高め、各リンクの入力分担を最適化することで、ハンドリングとスタビリティを両立させています。
3.7LのV6エンジンを搭載した370GTのTypeSには、スポーツチューンドサスペンションを装着していますが、これには日産独自のRAS(Rear Active Steering。後輪ステア機構)システムの出力効率を向上したリンク配置で軽量化を実現しています(写真2)。
リンク配置最適化としては、図1のようにリンクの弾性中心とサスペンションメンバーの弾性中心のオフセットを小さくすることで、高いサスペンション横剛性を確保しながらメンバーインシュレータを低剛性化することで高い音振性能を実現しています。また図2のようにサスペンション横剛性をコントロールするリンクとコーナリング時のトー変化特性をコントロールするリンクを分けることで、ハンドリングとスタビリティを両立させています。
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