最高出力80kW(109PS)/6000rpm,最大トルク146Nm(15.1㎏m)/4400rpmと,優れた動力性能と経済性(10・15モード燃費18.2㎞/ℓ=2WD車)で定評のあった1498㏄直列DOHC4気筒のHR15DEエンジンを大幅に改良して,さらなる低燃費の実現と中低速トルクを強化して扱いやすさを向上させています。
デュアルインジェクタを採用したのをはじめ,吸気側だけでなく排気側にも可変バルブタイミング機構(CVTC)を採用しています。
[デュアルインジェクタ]
1シリンダあたり2本のインジェクタを設けています(図1)。このインジェクタは、ボディをスリム化し燃料噴射孔径を小径化したもので、1気筒あたり2本配置して小粒化された燃料を広角に噴射することで燃焼安定性の向上を図っています(図2)。
[可変バルブタイミング機構(CVTC)]
①インテーク(吸気側)バルブタイミング制御:インテークバルブの作動角を一定のまま、油圧によってカムの位相を連続的に制御します。ECM(エンジンコントロールモジュール)は、クランクシャフトポジション、カムシャフトポジション、エンジン回転数、水温、油温などの信号を受信して、走行条件に応じてインテークバルブタイミングコントロールソレノイドバルブにON/OFFデューティ信号を送信します。これによってインテークバルブの開閉時期を制御し、中低速域におけるエンジントルクと高速域における主力を増大させます(図3)。
②エキゾースト(排気側)バルブタイミング制御:エキゾーストバルブの作動角を一定のまま、油圧によってカムの位相を連続的に制御します。ECMは、クランクシャフトポジション、カムシャフトポジション、エンジン回転数、水温、油温などの信号を受信して、走行条件に応じてエキゾーストバルブタイミングコントロールソレノイドバルブにON/OFFデューティ信号を送信します。これによって、エキゾーストバルブの開閉時期を制御して、高速域におけるエンジントルクと出力を増加させます(図4)。
そのほか,インテークマニホールドの径と長さの変更,エキゾーストマニホールドの径の拡大,六角メッシュの触媒セルの採用,ピストンの燃焼室形状の変更,インテークポートの形状調整によるタンブル流の発生促進,バルブリフタにDLCコーティングを採用,ピストンオイルジェットの採用などの改良が施されています(写真2、図5)。
その結果,最高出力84kW(114PS)/6000rpm,最大トルク150Nm(15.3㎏m)/4000rpmと,性能を向上させたほか,10・15モード燃費19.0㎞/ℓ(2WD車。JCO8モード走行燃費17.2㎞/ℓ)を実現して「平成22年度燃費基準+15%」を達成したうえ,「平成17年排出ガス基準+75%低減レベル」認定も取得しています。 |