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好調な軽自動車市場、今年も各社が新車を積極投入


 05年に過去最高の192万台の販売を記録した軽自動車市場。年明けから早くも新型車が複数投入され、今年も競争激化の様相を呈している。軽業界は今年の軽市場の見通しを、前年並みと見ているが、各社による積極的な新車投入や、ホンダの全店舗での軽の取り扱い開始により、市場がさらに拡大する可能性もある。
 昨年12月、ダイハツ工業が新型軽乗用車「エッセ」を発売。若い女性にターゲットを絞って開発したモデルで、月間平均5千台の販売を見込んでいる。
 そして、1月には、スズキが新型「MRワゴン」を投入。同モデルの場合、初代の旧型は、同社の主力モデル「ワゴンR」に次ぐ、新世代の軽ワゴンを提唱。これに対し、新型は女性、それも幼児を持つ主婦にターゲットを絞って、各種の装備を充実させた。



 そして、三菱自動車が昨年発売の「アウトランダー」に続く、三菱再生の第2弾モデルとして、新型車「アイ」を投入した。アイは、富士重の「R2」や「R1」を思わせる、これまでの軽にはなかった先進的なスタイリングを採用したことが特徴だ。リヤにエンジンを搭載したリヤミッドシップ構造とし、コンパクトカーに匹敵する室内空間を確保した。タイヤを車両の四隅に配置したことで、走行安定性も高まった。また、エンジンをリヤに搭載したことで、前面衝突時の衝撃吸収を効率化でき、十分な衝突安全性能を確保した。
 エッセやMRワゴンが女性中心にターゲットを定めたのに対し、三菱は、このアイで、軽ユーザーだけでなく、上級車種からのダウンサイジングの需要も獲得できると見ており、新コンセプト車ながらも、月間平均5000台という、意欲的な販売計画を設定している。
 年末から年明けにかけて、ダイハツ、スズキ、三菱と続いたが、今年は、まだまだ軽の新車投入が続く。2月にはホンダが、そして夏のボーナス商戦に間に合わせるタイミングで、富士重工業が新型車を投入する。さらに、ダイハツやスズキは、06年後半にも、新車を計画しているもようだ。
 さらに、軽市場の拡大要因として、指摘されているのは、ホンダ全店での軽販売開始だ。ホンダは現行の「プリモ」「ベルノ」「クリオ」の3チャンネルを廃止し、3月からは、新販売チャンネル「ホンダ」に一本化する。3月発売予定の新型車から、全車種併売となる。これまでプリモの専売車種だった軽が、全店での取り扱いとなることで、ホンダの軽の販売台数は大幅に増加する見通しだ。
 ホンダの昨年の軽販売台数は、24万8000台と、前年に対し5.7%の減少となった。軽市場でのシェアも12.8%と、前年にくらべ0.2ポイント低下し、軽市場が好調ななかで、ホンダは精細を欠いている。
 プリモの販売網は1490店。ベルノ、クリオが加われば、2400店での扱いとなり、単純計算でいけば、販売台数が6割も増えることになる。ホンダは、チャンネル統合により、国内で年間80万台を安定して売れる体制を構築することを目指しており、軽が販売台数の拡大に、大きな役割を果たしていくことになる。
 こうして見ていくと、軽市場は、まだまだ拡大するように見えるが、スズキの鈴木修会長は「192〜193万台が限界。今後は横ばいになる」と見る。もっとも、昨年の市場は、スズキ、ダイハツのシェア争いにより、ある意味でつくられた市場であるということは、業界内でも指摘されている。その影響が、すでに中古車価格の下落という現象に表れており、ダイハツも「このような状況を、長く続けることはできない」と話す。
 とはいえ、スズキ、ダイハツのトップ争いは、今後ますます激しくなることは目に見えている。ダイハツは、2010年代の初頭を目標に、軽シェア1位の獲得を目指している。スズキも、面目にかけて、首位の座を絶対に譲らない構えだ。
 スズキ、ダイハツの争いに、今年は三菱の再生、ホンダの販売網拡大が輪をかけて、軽の販売は三つ巴、四つ巴となる様相だ。また、軽の販売が、年間10万台規模にまで拡大した日産自動車の存在感も増しており、今年も軽市場の動向から目が離せない。


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