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ホンダが量産型FCV
「クラリティ フューセル」を発売


ホンダ、燃料電池車「クラリティ フューエルセル」を発売

クラリティ フューエルセルホンダは3月10日、燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」を同日発売したと発表した。量産型FCVとしては、トヨタ自動車の「MIRAI」(ミライ)に続き、国内メーカーで2モデル目となる。当初、一般市販すると見られていたが、初年度は企業や自治体に年間200台をリース販売し、その後、個人への一般販売を始める。FCVの普及には水素ステーションの普及が欠かせない。国も普及計画を見直して、インフラ整備のてこ入れを図ろうとしている。
 新型車は燃料電池スタックなどパワートレーンを小型化してボンネット内に収めることで、セダンタイプのFCVとしては世界で初めて5人乗車を実現した。圧縮水素を燃料とし、満充填での航続距離は750辧トヨタのミライよりも発売が1年程度遅れたが、乗車定員、航続距離で上回ることができた。価格は766万円と、ミライ(723万6千円)より42万6千円高く設定した。
  ホンダは新型FCVをリースで販売する。ミライと同様、当初から一般販売するものと見られていたが、初年度は200台という少量での生産にとどまる。販売先は自治体や企業としている。ホンダはゼネラルモーターズ(GM)と2020年の発売を目指してFCVを共同開発しており、このモデルが本格的な市販を目指したモデルになりそうだ。
  米国ではカリフォルニア州のZEV(ゼロエミッションビークル)規制の強化が予定されており、自動車メーカーは電気自動車(EV)やFCVを一定程度販売しなければならなくなる。ハイブリッド車よりもバッテリーでの走行距離が長いプラグインハイブリッド車(PHV)もZEVとしてカウントすることが認められたが、排出ガスゼロのFCVはEVと並ぶZEVと認定されている。大手自動車メーカーのFCV戦略はこのZEV規制を睨んでのものであることが大きい。
  日本ではトヨタ、ホンダが量産型FCVを発売し、日産自動車も発売を予定している。ただ、FCVの普及には水素ステーションの整備が欠かせない。国は国家戦略として水素社会の構築を掲げており、水素ステーションは2015年度中に100か所を整備する予定だった。しかし、建設費や運営コストの高さから、エネルギー会社の参入が進まず、2月17日時点のステーション数は81カ所と目標への到達が難しい。
  このため政府は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の改訂版を発表。初めてFCVの普及台数目標を示すとともに、水素ステーションの建設費用、運営費の削減目標を示した。普及台数目標は2020年4万台、25年20万台、30年8万台に設定。水素ステーションは20年160カ所、25年320カ所を目標とし、建設費を1億7千万円〜2億3千万円、運営費を年間1500万円に引き下げるという。
  また安倍晋三首相は福島県を再生エネルギー由来の水素の供給拠点と位置づけ「福島新エネ社会構想実現会議」を3月中に立ち上げると表明した。二酸化炭素を排出しない水素の製造を目指す。
FCV:5つのメリット   1980年代から、「究極のエコカー」として研究開発が進められてきたFCV。価格がまだ高いとはいえ、これからの量産技術開発次第で普及可能な領域にまで到達したと言える。車としての利便性は、航続距離やガソリン並みに短い水素充填の時間など、EVのそれを上回る。難しいのは、水素のインフラをつくらなければならない点だ。EVが優れている点は、インフラが家庭にまで行き渡っていることや、電池の性能がまだまだ向上しそうなことだ。エンジン車をしのいで、どちらが将来のメーンの駆動源になるのか。勝負の行方はまだ見えていない。




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