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コロナ禍でも根強いSUV人気 新型コロナウイルスの影響で一時、大きく落ち込んだ国内の新車販売台数が回復傾向にある。日本自動車販売協会連合会(自販連)と 全国軽自動車協会連合会(全軽自協) が発表した6月の新車販売台数(登録車、軽自動車)は、前年同月比22.9%減の34万7371台と、5月に比べマイナス幅が大幅に縮小した。緊急事態宣言が解除され店頭に客足が戻りつつあることや、生産が徐々に正常化しつつある状況が数字に表れた。メーカー各社が投入した新商品が需要を支えており、中でも SUV の人気は根強いものがある。 6月の新車販売台数は登録車が前年同月比26.0%減の21万4857台、 軽自動車が同17.3%減の13万2514台と、いずれも5月の実績(登録車は40.2%減、軽自動車は52.7%減)に 比べ減少幅が縮小した。生産が正常化しつつあることに加え、 緊急事態宣言の解除で販売店に客足が戻り始めたためだ。 新車販売への新型コロナの影響は、4月7日に政府が7都府県に緊急事態宣言を発令 (4月16日には全国に拡大)すると早速、表面化した。 3月も消費税増税の影響で前年同月比9.3%減だったが、4月は28.6%減、5月は44.9%減と大幅に落ち込んだ。 大型連休明けに宣言が解除され、6月になってようやく全国で経済活動が再開したことで、 販売は持ち直しつつある。 厳しい状況下で販売を支えているのは、メーカー各社の新商品だ。 2月にトヨタ自動車が「ヤリス」(旧車名ヴィッツ)、 ホンダが「フィット」を発売したほか、 日産自動車が 「ルークス」 、三菱自動車が 「eK」 シリーズの新型を発売した。 これらのモデルはいずれも売れ筋層であり、6月の車名別販売台数では、ヤリス、フィット、 ルークスがいずれもベストテン入りしている。 ヤリスやルークスは新型車扱いのため前年との比較はできないが、 フィットはこの環境下で前年比4%のプラスとなっている。 新型コロナが社会や経済にさまざまな制約を課す中でも、今のところ新車需要そのものは底堅いことが見てとれる。 注目されるのはSUVの人気だ。ダイハツ工業が6月10日に発売した新型軽自動車 「タフト」 は、月間販売計画4千台に対し、発売後1カ月の受注が4.5倍の1万8千台に達した。SUVらしいデザインと、最近ではめずらしいガラスルーフトップの開放感が受けているという。このカテゴリーにはスズキの 「ハスラー」 や 「ジムニー」 があり、いずれも人気車種となっている。タフトも日常使いからレジャーまでカバーする商品コンセプトが当たったようだ。 トヨタが6月17日、7年ぶりに全面改良した「ハリアー」 は、発売前の事前受注が月間販売計画3100台の約8倍に当たる2万5千台に上った。 同モデルは従来、トヨペット店の専売車種だったが、5月からの全車種全チャンネル併売により、 新型は全店で取り扱うようになった。ハリアーはトヨタ車の中でも息の長い人気モデルだ。 新型は全車種併売後の新車第一弾だったこともあり、全販売会社を挙げて予約受注の獲得に取り組んだ。 こうした相乗効果もあって、極めて好調な受注につながったようだ。 電動車にもSUV人気は表れている。トヨタが6月8日に発売した「RAV4」のプラグインハイブリッド車(PHV) 「RAV4 PHV」 は予想を上回る反響により、駆動用のリチウムイオン電池の生産が追い付かなくなり、 受注を一時見合わせることになった。 トヨタは月間300台の販売を計画していたが、これを大幅に上回る受注があったもようだ。 トヨタは「プリウスPHV」の販売では苦戦していることを考えると、これもSUV人気によるものと言えるだろう。 SUVはすでにセダンに代わる定番となっている。 人気の背景には、水害などの自然災害の増加もあるとみられる。 道路が冠水した時や、避難時に車中泊する可能性も考えると、車高が高く、室内が広いSUVはうってつけだ。さらに、電動車であれば、駆動用電池に貯めた電気で外部給電もできる。
トヨタは7月2日、災害などによる停電時に家電製品などに給電できるよう、全てのハイブリッド車に
外部給電機能を標準装備していくことを発表した。
7月中旬には日産が同社初の電気自動車SUV
「アリア」
を発表する。自然災害の多発や新型コロナによって変わった行動様式が、SUVなどの車の需要にどう影響を及ぼしていくのか、引き続き注目される。 |
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