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上期の新車販売が2年ぶり減 持ち直しはいつ? 日本自動車販売協会連合会 と全国軽自動車協会連合会 がまとめた今年上期(1〜6月)の新車販売台数は、 前年同期に比べ15.4%減の208万6178台と上期として2年ぶりに前年同期を下回った。前年はコロナ禍からの回復があったものの、今年は半導体不足や中国・上海市のロックダウンの影響で新車供給に制約があった。12カ月連続のマイナスとなった6月は前月に比べマイナス幅が縮小したが、半導体不足は依然として改善されておらず、国内販売は今年後半も低空飛行が続く見通しだ。 上期の208万台という数字は、1993年以降では東日本大震災のあった11年(191万9245台)に次ぐ低い水準だ。登録車は前年同期比15.5%減の128万5760台、軽自動車は同15.1%減の80万418台と、登録・軽ともに2桁減に落ち込んだ。 ブランド別ではトヨタが同18.7%減、ホンダが16.2%減、日産が9.3%減、スズキが7.9%減となるなど、乗用車メーカーはスバルを除く全ブランドが減少した。大型車4社はUDトラックスを除く全社がマイナスとなった。 6月は前年同月比10.3%減と減少幅は前月の18.1%減に比べ縮小した。トヨタが25.3%減、レクサスが34.8%減、ダイハツが17.9%減とトヨタグループのブランドが大幅に減少した一方、スズキが20.4%増、日産が9.7%増となるなど、乗用車6ブランドはプラスだった。登録車が15.8%減だった一方、軽は0.4%減と5月の20.3%減に比べ、減少幅が大幅に縮小した。 軽が微減にとどまったことで、明るい兆しも見えてきたものの、このままプラスに転じていくのかどうかはいまだ見通せない。 半導体 不足がいつ解消するか、めどが立っていないからだ。24年も影響が残るという見方もあり、予断を許さない。 半導体不足が起きた原因は、20年からのコロナ禍をきっかけとしてデジタル機器の需要が急増したためだ。一方、当初、急減が予想された自動車の需要は、景気下支えのための金融緩和が各国で続いたことや、旅行を断念した人が資金を車購入に充てたこと、感染リスクの少ないマイカーが見直されたことなどを背景に意外にも旺盛だった。自動車メーカーはコロナが始まった当初、「リーマンショックを上回る影響がある」と警戒し、部品の発注を絞り込んでいた。そのギャップが今も尾を引いている。 半導体は、発注から納品までのリードタイムが半年と長いことに加え、生産設備に巨額の投資を必要とする。新工場を建てたり、ラインを増設したりするには長期の需要見込みが必要で、その時々の顧客の要望に応えて生産能力を増強してしまうと、後々、過剰設備となり経営が悪化することになる。自動車用の半導体は古いタイプの半導体が多く利幅が小さいため、半導体メーカーが自動車用の生産を後回しにしているとの指摘もある。 経済産業省は、半導体不足によって自動車の国内生産が長く低迷していることを問題視し、車載用半導体サプライチェーン検討ワーキンググループを立ち上げ、その中間報告「自動車サプライチェーンの強靭化に向けた取組」を7月にまとめた。この中で、自動車メーカーは最低でも半年先の生産計画を一次部品メーカーと半導体メーカーに示す必要性があることや、自動車メーカーや一次部品メーカーは実需に基づく確定注文や買い取り保証を検討すること、参考値として2年超の生産計画を示すことの必要性を挙げた。こうした取り組みが進むことによって事態の改善が期待されるが、その効果がいつ出てくるのかは不透明だ。 上期が前年比15%ものマイナスとなったことで、新車販売は年間を通しても前年を下回る可能性が高くなった。21年は前年比3.3%減の444万8340台と、年間では東日本大震災のあった11年以来の450万台割れとなり、3年連続で減少した。今年も前年を下回れば4年連続となり、新車の低調ぶりが際立つ。 他方、エネルギーや資源価格の高騰によって原材料価格が急上昇してり、メーカーの収益を圧迫している。 耐え切れずに三菱自動車は「デリカD:5」を8万8000円、「ミラージュ」を3万3000円それぞれ値上げした。 全面改良や一部改良時に価格を上げるメーカーは他にも出てくるとみられる。物価上昇が続くなかで景気の悪化も懸念されており、受注にどう影響していくのか注視される。 |
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