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2022年の新車販売、4年連続前年割れが濃厚


2022年の新車販売、4年連続前年割れが濃厚

10月の新車販売台数(登録車、軽自動車)が2カ月連続で前年同月を上回った。登録車、軽自動車ともに2桁の増加となり、半導体不足による供給制約が徐々に緩和される傾向がみられる。ただ、水準としては低いままで、年間では4年連続で前年割れとなる可能性が高そうだ。メーカーでは来年も綱渡りの状況が続くとの観測が出ている。

日本自動車販売協会連合会(自販連)全国軽自動車協会連合会(全軽自協) が発表した10月の新車販売台数は、登録車が前年同月比19.7%増の21万2542台、軽自動車が同43.9%増の14万7617台、合計で同28.6%増の35万9159台と、いずれも2カ月連続で前年同月を上回った。15カ月ぶりのプラスに転じた9月から、回復傾向が持続した形だ。

ブランド別では日産、いすゞ、日野を除く国産10ブランドが増加した。トヨタは前年同月比35.8%増、ダイハツは87.8%増、スズキが27.9%増となるなど、各ブランドが前年を大幅に上回った。ここへきてようやく21年から続いてきた半導体不足が徐々に緩和してきた格好だ。しかし、35万台という水準は例年に比べまだまだ低い。台風災害で大幅に落ち込んだ19年10月を除けば、10月は例年、40万台を超える販売がある。そこから今年は5万台あまり下回っており、十分に回復したとは言えない。世界の半導体需給はスマートフォンやパソコン向けの一服により、緩和傾向にあるとされるが、多種多様な車載用はまだまだ正常化には至っていない状況だ。

自動車メーカーでは、半導体不足を理由に一部車種の受注停止が続いている。日産では6月に発売したばかりの電気自動車(EV)「サクラ」、7月に発売した「エクストレイル」の受注を10月31日に停止した。

トヨタは、苦肉の策で新車に付属する2本のスマートキー(電子キー)のうち1本をメカニカルキーにすると発表した。半導体不足が続く中、1日でも早く納車するためと説明している。対象は「クラウン」「プリウス」「RAV4」などトヨタブランド14車種、「LS」「IS」「NX」などレクサスブランド9車種。2個目のスマートキーは準備が整い次第、渡すという。

トヨタでは今年度に970万台としていた世界生産計画を920万台に引き下げることを11月1日の中間決算で発表した。国内は300万台の計画を278万台へ7.3%、海外は670万台の計画を642万台へ4.2%それぞれ引き下げた。ハイブリッド車の割合が高い日本の方が引き下げ幅が大きく、半導体の搭載数の多さが影響しているとみられる。トヨタでは「半導体不足やコロナウイルス感染による影響など、車両生産については先を見通すことが依然として難しい状況にある」としている。

生産面の制約が続くなか、新車市場は今年も前年割れの公算が高い。1〜10月の累計は347万9877台。11、12月が前年並みで推移したとしても、年間で440万台に届くかどうか微妙だ。そうなれば、19年から4年連続で前年を下回るとともに、3年連続で500万台割れとなる。新車販売の低迷が長引けば中古車市場の品不足も長期化する。円安の進行によって、新車も中古車も輸出に回る可能性が高く、そうなれば、ますます国内の品不足は長期化することになる。

日本自動車工業会のまとめによれば、9月の輸出台数は前年同月比84.5%増の36万9095台と大幅に増加した。トヨタ、マツダ、スバルは倍増しており、コロナ禍からの回復、半導体の需給緩和を踏まえ、輸出に多くを振り向けている。

自動車メーカーが輸出を増やす理由はほかにもある。 今期は資源・エネルギー価格の高騰により原材料費が大幅に膨らんでいるためだ。トヨタでは原材料費高騰による営業減益が中間期で6500億円、通期で1兆4400億円と過去に例がないレベルとなる。これをカバーするためにも、円安効果を最大限に生かす必要がある。

 とはいえ、国内向けでも、使用する半導体の汎用化や仕様変更のほか、早く納車できる車種やグレードを勧めるなどメーカー、サプライヤー、販社が一体になって納期の短縮化に努めている。来年はその成果が出て、少しでも市場が上向くことが期待されるところだ。

 




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