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上期の新車販売は2年ぶり減 ダイハツ出荷停止の影響 2024年上期(1~6月)の新車販売台数は、登録車と軽自動車の合計で前年同期比13.2%減の212万7490台となり、2年ぶりに減少した。大型車を含めた13ブランド中、9ブランドが減少。特に、型式認証不正でダイハツ工業が出荷を一時停止した影響が大きく出て、トヨタ、ダイハツが大幅に落ち込んだ。ダイハツは一部を除き生産を再開しているものの、企業イメージへのマイナス影響もあり、今後の売れ行きが引き続き注視される。
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)のまとめによると、1~6月の新車販売台数は、登録車が前年同期比10.7%減の139万7651台、軽自動車が同17.7%減の72万9839台と、いずれも2年ぶりに減少した。登録車は国内13ブランド中、ホンダ、スズキ、スバル、日野を除く9ブランドで減少。軽自動車では、8ブランド中、スズキ、日産、三菱、マツダを除く4ブランドで前年同期を下回った。 登録車よりも減少幅が大きかった軽自動車では、特にダイハツの減少幅が60.5%と最も大きかった。同社では、23年12月20日、同年春に発覚した型式認証不正についての第三者委員会による調査報告を公表。不正が軽自動車を含む多くの車種に広がったことを受け、全ての車種の出荷をいったん停止した。1~6月はこの影響が販売に大きく出た格好だ。全軽自協がまとめた「乗用車ベスト15」では、ダイハツ車は「タント」「ミラ」「ムーヴ」が15位以内に入ったが、タントが65.3%減で8位、ミラが42.7%減で11位、ムーヴが85.4%減で15位と、いずれも大幅に減少し、順位を落とした。 代わって伸びたのがスズキだ。ベスト15のランキングでは、「スペーシア」(2位、40.4%増)、 「ハスラー」(3位、43.4%増)、「ワゴンR」(4位、11.6%増)など、5位の「アルト」(0.2%増)も含めると、2~5位をスズキ車が占めた。1位のホンダ「N-BOX(エヌボックス)」(10.3%減)は不動だが、2、3位にスズキ車が入り、ダイハツはベスト5圏外となった。 ダイハツ車の出荷停止は、親会社のトヨタ自動車の販売にも大きく影響した。ダイハツが開発・生産する小型乗用車「ルーミー」(ダイハツ名トール)は、 販売ランキング上位の常連だが、1~6月の販売台数は前年同期比58%減と19位に落ち込んだ。同じく「ライズ」(同ロッキー)も57.5%減と26位に沈んだ。小型商用車「プロボックス」もダイハツの工場で生産しており、32.6%の大幅なマイナスだった。売れ筋の小型乗用車で販売が落ち込んだことで、トヨタの1~6月の総販売台数は、前年同期比23%減の大幅な落ち込みになった。また、ダイハツから軽乗用・商用車の供給を受けるスバルは、登録車の販売が増加したにも関わらず、軽が54.9%減少したことで、総台数は2.6%減少した。 ダイハツでは基準適合性が確認されたとして、4月までに大半の車種で出荷を再開しており、販売のマイナス幅は月ごとに縮小。6月は総台数で前年同月比14.4%減(軽は15.5%減)にまで戻った。 7月もロッキー/ライズのハイブリッド車の出荷を再開する。ダイハツはスズキと軽市場を分け合う重要なブランドだけに、出荷再開を待ち望んでいた販社やユーザーは多い。量販車種の販売再開により、年後半は巻き返しに出るものとみられる。 一方、認証不正により、全車種出荷停止という手痛い代償を払ったダイハツブランドのイメージダウンも考慮しなければならない。今年に入りダイハツはリコール5件を届け出ており、開発のずさんさも指摘されている。ダイハツ車の品質に少なからず不安を抱くユーザーも出てくるとみられ、不正発覚前の販売台数に戻るには、相応の時間がかかる可能性がある。さらには、開発業務を一時停止していた影響で、これから予定されている規制対応が遅れ、モデル切り替えや、新型車の投入スケジュールが遅れるという情報もある。商品供給に支障が出てくる可能性もあり、一本調子で回復するかどうかは分からない。当面は予断を許さない状況が続きそうだ。 |
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