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4月の新車販売台数、環境性能割廃止で大幅増


4月の新車販売台数、環境性能割廃止で大幅増

2026年4月の新車販売台数が4カ月ぶりに前年同月を上回り、コロナ禍前の水準に近づいた。軽自動車はマイナスだったが、登録車が2桁の大幅な増加となった。登録車の販売増は4月から自動車税の「環境性能割」が廃止された影響があったとみられる。税負担軽減は市場の底上げにつながるか。

日本自動車販売協会連合会(自販連)全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が5月1日に発表した4月の新車販売台数は、登録車と軽自動車の合計で37万3952台となり、前年同月を9.1%上回った。増加したのは登録車で、前年同月比17.6%増の25万5370台を販売した。3月は7.3%の減少だったため、4月は急回復したことになる。

ブランド別(登録車、軽自動車の合計)では、トヨタが25.2%増となるなど、大型車を含めた8ブランドが増加した(スズキ、マツダ、いすゞ、UDがマイナス)。登録車ではホンダが13.5%増、スズキが13.6%増となるなど、日産(同3.4%減)、いすゞ(同10.2%減)、UD(同1.1%減)を除くブランドがプラスとなった。軽自動車は新型車効果が薄れたこともあり、スズキ(同7.4%減)、ダイハツ(同5.0%減)、ホンダ(同13.0%減)の上位3ブランドがいずれもマイナスだった。

登録車の販売が大幅に増えた理由として考えられるのは、26年度税制改正で4月から自動車税の環境性能割が廃止されたことだ。環境性能割は車の環境性能に応じ、購入時に車体価格の最大3%が課税される制度で、19年10月に導入された。「自動車取得税」を廃止する代わりに導入されたもので、消費税との「二重課税」だとして自動車業界が廃止を求めてきた。

環境性能割の廃止が決まったのは25年12月で、その後、26年1~3月の登録車販売は、前年同期を6.4%下回った。4月に大幅に販売が増えたのは、環境性能割の廃止を待って購入時期を先送りしたユーザーが少なくなかったためと考えられる。1~3月は軽の販売が増加(4.7%増)だったことを踏まえると、車体価格がより高い登録車で環境性能割廃止の効果が大きいとみられる。

注目されるのは、5月以降の販売だ。環境性能割の廃止は、一時的な需要刺激策ではなく、恒久的なもの。新車購入時の税負担が軽くなることで、中長期で需要を底上げすることへの期待がある。

国内市場は長期にわたって漸減傾向にあり、新型コロナウイルスのパンデミック(感染爆発)後は500万台を大幅に下回る年が続いている。国別の販売台数ではコロナ禍後、インドに抜かれ、世界第4位に後退した。中国勢が世界で台頭する中で、国内市場が盛り返すことは、日本の自動車産業が世界での競争力を回復するためにも欠かせない。

メーカーがどれだけ商品を供給できるのかも市場を左右する。トヨタはミニバン「ノア/ヴォクシー」を5月6日に一部改良して発売した。日産も旗艦車種「エルグランド」を16年ぶりに近く全面改良する予定だ。またマツダは主力SUV「CX-5」を9年ぶりに全面改良して発売する。各社の量販・主力モデルの新型への切り替えで需要が高まるとみられる。

メーカーが供給をどう増やすのかも販売を左右する。販売店への供給枠を設けているトヨタでは、全車種・全店併売化の影響によって人気車が集中しており、納期の長期化が常態化している車種がある。トヨタが他の人気車の供給台数を増やすのかどうかも注視される。

米国とイスラエルによるイラン攻撃も日本市場に影響することになりそうだ。ホルムズ海峡の封鎖によって石油化学製品の供給見通しが不透明化し、自動車の部品や塗料などの素材が不足しはじめたとの報道もある。中東向け自動車輸出の停滞も国内市場に影響を及ぼす可能性がある。

ガソリン価格が上昇してくれば、国内でも電気自動車(EV)が売れる可能性がある。トヨタでは世界的にEVの販売が増えるとみているようだ。日本でもEV「bZ4X(ビージーフォーエックス)」の販売を大幅に増やしている。2月には派生車種の「bZ4Xツーリング」も発売した。生産はスバルの矢島工場で行うもので、スバルも4月に「トレイルシーカー」の名称で発売した。補助金も受けられるこれらのEVがどのような売れ行きを示すかも注目されるところだ。

 




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