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スズキがeスカイを発表 最安価格で11月発売
同社は8月24日にeスカイの概要を発表していた。今回発表の新たな情報は価格だ。7月28日に中国・比亜迪(BYD)が発売した「ラッコ」が214万5000円からと、国産勢を大きく下回る価格を設定してきただけに、スズキがどのような値付けをしてくるのか注目されていた。 eスカイには「A」「G」「X」の3つのグレードがある。最も安いAが212万円で、Gは239万円、Xは279万円(消費税込み)。国の補助金を使えば、実質的な車両価格は155万2000~222万2000円で国内最安となる。どのグレードにもBYD製のリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)を26kWh搭載し、航続距離を310km確保した。EVで主流の三元系リチウムイオン電池ではなく、性能は劣るものの、価格が安く安全性が高いLFPを使うことで大幅なコストダウンを図った。 軽乗用EVへの参入に当たって、スズキの戦略が最もよく表れているのがAグレードの商品仕様だ。急速充電は非対応としたほか、後席ドアガラスを開閉できない固定式とした。後部ドアガラス固定式は、スズキの他の車種でも最安グレードで採用している方式という。 Aは受注生産で、実際にはGやXを選ぶ客が多いとみられるが、価格のインパクトは大きい。ラッコの最安グレードを2万5000円下回る価格設定であることから、明らかにラッコを意識した値付けだと言える。 スズキが満を持して参入した軽EV市場だが、補助金が増額されたにも関わらず、勢いは今一つの状況だ。2026年9月のEV販売台数は、登録車が前年同月比3倍だったのに対し、軽EVは三菱「eKクロスEV」が170台と前年同月比1.7倍になったものの、日産「サクラ」は同4.3%減の1371台にとどまった。年1万台の販売を目指しているというラッコは442台とまだ4桁に届いていない。 日産やホンダなどと異なるスズキの特徴は、軽自動車ならではの販売網にある。スズキの販売台数の8割は整備事業者などのいわゆる業販とされ、その販売網は全国7万店という。近年、ガソリンスタンドの閉店が進んだ地方のEV需要をeスカイによって掘り起こす可能性がある。 一方、補助金の行方は不透明だ。「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」は、26年度分が12月にも切れる見通しだと経済産業省の外郭団体である次世代自動車振興センターが発表している。その後の手当てについては未定で、仮に12月で打ち切りとなれば、年明け以降のEVの需要は大きく落ち込む恐れがある。
2026年度の国内EV市場は大幅に上向いている。日本自動車販売協会連合会によると、年度上期(4~9月)は前年同期の3倍超となる5万9972台を販売した。特にトヨタ自動車が前年同期の52倍の1万6200台を販売した。トヨタは9月の販売がさらに増え、前年同月の65倍と補助金終了を前に登録を急いでいる状況だ。 輸入車で唯一100万円を超す127万円の補助金を得ているテスラ車の販売も急増している。日本自動車輸入組合(JAIA)によると、テスラが大半を占める「その他」ブランドの26年4~9月の販売台数は、前年同期比3.5倍の1万5072台となった。9月も同率の増加で勢いを維持し、いずれも外国メーカー車全体(乗用車)の増加率(4~9月は0.7%増、9月は3.8%増)を大きく上回った。 米国車であるテスラ車は、米トランプ政権の圧力によって、あからさまに大きな補助金を得ている。販売の急増は明らかににその効果だ。 軽EVで補助金効果が登録車ほどは出ていないのは、軽はより経済性が重視されることや、大半の軽ユーザーが保守的であることの現れかもしれない。スズキが参入することによって、どのような変化が市場に表れるのか注目される。 |
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