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第3回:「人の価値観が違うワケ(ハーマンモデル)」
■人の価値観が違う・・・こんな当たり前のこと
何故なんだろう?って考えた人はどれくらいいますでしょうか?

皆さんハーマンモデルって聞いたことありますか?
ハーマンモデルとは、アメリカの某有名企業の人材教育研究に35年在籍した「ネッドハーマン」という人が考えた人材開発モデルです。
彼は社員教育を担当する上で、皆に同じ教材を使い同じやり方で教えているにもかかわらず人びとの効果はおのおの違い、しかも、チーム(部署)にも差が生じるのは何故なんだろう?と、それまでのデータをもとに10年間研究をしました。
その研究とは、被験者に好きなことをやらせ、実際に脳波計を使いその時被験者の脳にどのような影響があるのかというものでした。
そうしてハーマンは、人間には脳のメカニズムの差がある!ということをつきとめたのです。

脳のメカニズムの差?・・・どういうことでしょう?

例えば、
Y君は、提案書の作成はものすごく得意なのに何故か商談には結びつかないから、実際の営業成績はイマイチなんだよねぇ・・・
C君は、部下からも頼りにされるし、いいリーダーなんだけどプロセス管理がイマイチで、指導も甘いから、他のグループよりも仕事の積み残しが目立つんだよねぇ・・・
K君は、仕事は出来るんだけど、人の意見にいつも批判的だから会議の雰囲気も悪くなるし、内容もなかなか決まらなくて困るんだよねぇ・・・
それぞれいいものは持っているんだけど・・皆価値観や得意なものが違うから、一緒に仕事をする上でどうしたらもっと仕事が効率的にやりやすくなるのかなぁ・・
こんな事考えたことないでしょうか?

では、人によって価値観や得意なものが違うのは何故なんでしょう?

ハーマンによると、行っていて楽しいと感じる気持ちや価値観が人によって差が生じるのは、その人の脳が活性化している部分が違うからだと理論づけています。

実はハーマンモデルは、独自の研究に脳科学の理論を統合させているところにその大きな特徴があります。


■脳科学では、人の脳は大きく2つのエリアに分割されています。
2つのエリアとは、
1.理論や数字的な左脳
2.イメージや直感を働かせる右脳です。

そして左脳と右脳はさらに2つのエリアに分割され「4つの大きな特徴」をもつエリアにわけられます。

では、今から4つのエリアの特徴をこまかく説明していきますね。
人は、この4つのエリアのどこが活性化しているかでその人がもつ好みや価値観が違ってくるといわれています。

1. 理論や論理的で数字を意識して現実的に分析して物事を考える左脳の人
 主な職業 エンジニア、科学者、コンサルタント、SEなど。主な特徴 将来の夢的な計画よりも現実可能なのか、予算はどうなのかなど、クールで冷静だが批判的な面もある、このエリアを「A象限」といいます。

2.時間やプロセスを意識し人を管理するマネジメント能力が高い左脳の人
  主な職業 経理 管理職 製造ライン管理者 公務員など。主な特徴 時間や結果を重視し、物や人を管理し計画性があるがリスクを嫌がり保守的な面もある、このエリアを「B象限」といいます。


3. 人との調和や人間関係を重視することを好む右脳の人
主な職業 看護士 カウンセラー 教師など。主な特徴 人の輪や人間関係を一番に考え感情に敏感であるがゆえに人の輪などに批判的な意見の人とはうまくいかないことが多い、このエリアを「C象限」といいます。

4.ひらめきや直感を働かせ、リスクを恐れず長期的なビジョンを考える右脳の人
  主な職業 起業家 画家 企画責任者 ミュージシャンなど。主な特徴 将来のビジョンや夢を考えるのが得意でアイデアが豊富であるがリスクをあまり考えない面もあり現実的な人と対立することもある。
このエリアを「D象限」といいます。

■人は大きくわけるとこのような4つの特徴をもち、それぞれどこの部分の脳が活性化しているかで、その人がもつ価値観や行動パターンや考え方が変ってきます。人は自分がやっていて楽しいと感じる(自分の脳が活性化している部分)の特徴にぴったりの仕事をしていると、水を得た魚のように働くと言われています。

ハーマンモデルでは、120問の質問に答えることによって自分が何象限なのかを分析することができます。

まずは、自分の特徴を把握することが大事ですが、もっと大事なのは全体のバランスをとっていくことです。

たとえば、自分がものすごく左脳に片寄った人間であるとします。
なので右脳をむりやり開発しようと誰しもが思うのですが、実は自分の脳が活性化していない部分を無理矢理開発しようとすると、大きなストレスを受けやすいと言われています。自分の得意意識の無いことをやるわけですから、ストレスになるのはもっともです。

ではどうしたらいいのでしょうか?

答えは、たとえば自分が左脳に片寄ったリーダーだとしたら、右脳のサブリーダーを右腕として配置すればいいのです。

ちょっと考えてみてください。あなたの右腕にはどんな人がイメージできますか?

それぞれA・B・C・D象限の特徴をふまえると、何となく自分の周りの人は何象限かイメージできるのではないでしょうか?

今回は脳科学の視点でのお話でしたが、脳科学とは脳と心の科学だと言われています。
脳と心は一体です。この知識を利用して、社員の配置を適材適所にするために、社員それぞれ能力が発揮できるポジションを明確にし、生産性を高める一つの指標として、このハーマンモデル活用しても面白いと思います。

「人の価値観が違うワケ(ハーマンモデル)」あなたは何象限だとおもいますか?
天野 誠子(あまの せいこ)
(有)バランスソリューション代表
自分自身が心理学を学べる教室の運営
ビジネス心理学を活用した研修事業
http://www.balance-solution.co.jp/