Motown21トップ人を育てる・活かす > ビジネス心理学

第4回:「人は誰でも5つの私をもっている(自我状態)」
■自分が失敗しがちな交流パターンってどんなだろう?
いつも特定の人とうまくいかない
イライラする仕組みって何だろう?
原因はこれだった!人は誰でも「5つの私」をもっている!
無意識にしている言動がどこからきているものなのか、その謎を知る心のメカニズムの話を今回はしていきますね

おや?オフィスの一室でこんな声が聞こえてきましたよ

本当にあの課長にはムカつく!
「君のやり方も悪くはないんだが、それじゃぁ会社の利益にならないんだよねぇ・・・。ま、君もあと2年もすればもうすこし仕事の仕方ってものが理解できるだろうから、頑張りたまえ」
とか言いやがって〜くそぉおお〜
悪い人じゃないんだけど、嫌味っぽいあの言い方がいつも「カチン!」ってくるんだよね
あ〜でも反論したら又いじめのターゲットにされるだろうし、こんな人を相手にするにはどうしたらいいんだろう?

こんなやりとりをしてしまう「しくみ」があるのを、あなたは知っていましたか?
あなたの無意識の反応の出し方を理解するだけで、相手が受けるあなたの印象が変わってきます。
あの日、あの時!イライラした謎を解明していきましょう。

他人からバカにされたような気がする!
あの人、また私を無視してるし!
初対面の人とうまく話をするのが苦手だ!
喧嘩した後の仲直りのきっかけがつかめない!

なぜこんなことを感じてしまうのでしょうか?

人それぞれ事情もあり、原因もさまざまですが、多くの人に共通しているのは「自分への理解不足
だと言われています。なので、自分を知るための自分で出来る自己分析というものを心理学では広く活用されています。

その中でも代表的なものとして、「自分の心を自分で知る方法」のひとつである自己分析をする交流分析というものがあります。
これは、アメリカの精神科医エリックバーンという人が考えた分析手法です。
これ、どんなものかと言うと、人は誰でも異なる性格の5つの私が存在していると考えられ、それを自我状態といいます
自我状態は大きく3つに分けられます。1つめの自我状態は親の自我状態で以下の2つの種類があります。

1.CPは父親的な要素の自我状態です
これはPである親の自我状態の一つであり、非常に価値観の強い気持ちを持っています。何故かというと、この自我状態は小さい頃親からの価値観や自分に影響を与えた近所のおじさんや、学校の先生の価値観をたくさん取り入れているからです。その価値観を忠実に守り生きているので、独自の価値観を持ち、目の前でそれを無視した行動をとる人がいると「カチン!」と頭にきたりします。
よく使う言葉は〜するのが常識だ!〜すべき!などの言葉をよく使います。この言葉を普段頻繁に使っている人は、5人の自我状態の中でCPの自我状態の割合が大きいと言われています。


2.NPは母親的な要素の自我状態です
これもPである親の自我状態の一つであり、非常に思いやりあふれ優しいお母さん的な自我状態です。何故かというと、この自我状態は、他人へやさしくするよう、自分に忠実に守っている価値観を多く取り入れています。
NPの自我状態の割合の高い人は、駅までの道をたずねられたおばあさんがいたら、とてもほっとっくわけにはいきません。「おばあさん駅まで一緒に行きましょう」なんて声をかけてしまいます。
自分の気持ちよりも、まずは他人の気持ちを考え、やさしく、思いやりあふれる気持ちをもつ自我状態です。
■大きく3つの分けられた2つめの自我状態は成人の自我状態です。

3.Aは大人の要素の自我状態です
人はさまざまな感情を持ちます。怒りや悲しみや不安・・・たしかに自分は今いろんな感情が沸いているけれど、大人の自我状態はこれらの自分の感情をいったん横に置いておいて、じゃあどうしたらいいのか?何があったら解決できるのか?など現状を分析し、現在の状態を客観的に判断したりする自我状態です。
今の課題となっている問題は過去に行って解決することは出来ないし、未来に行って運命を変えることもできません。
では、今ここでどうするべきなのか?をコンピューターのように考えていくのが、成人の自我状態です。
よく使う言葉は、何故だろう?どうしたら解決できるのか?いつまでに必要か?何時までにくるのだろう?  など5W1Hの言葉をよく使います。
■大きく3つに分けられた自我状態の、最後の3つめの自我状態は子供の自我状態で子供の自我状態も以下の2つの種類があります。


4.FCはフリーチャイルドといわれる無邪気な子供の自我状態です
これはCである子供の自我状態の一つであり、無邪気な子供の感情を表す自我状態です。大人になると言葉の中に感情表現をあまり使わなくなりますが、FCの高い人はボソッと思った心の声を無邪気に相手に伝えたりするので、比較的と他人から好かれる人が多いです。でも、あまりFCが高すぎると無責任な行動や言葉を話したりします。
よく使う言葉は、相手が誰であろうと無邪気に言葉の中に喜怒哀楽の感情表現を多く使います。
5.ACは自分の気持ちを抑圧する自我状態です
これもCである親の自我状態の一つであり、相手の顔色を伺い、自分の気持ちを開示することが得意でないために、心と裏腹に気持ちを抑圧することが多いです。ACの自我状態の高い人はストレスを多く受ける傾向があります。
例えば、こんなシーンよくありませんか?
上司から「○○さん、悪いけど今日残業頼まれてくれない?この書類どうしても明日の午前中までに必要なんだよね」と言われて、今日はアフターファイブに友達と飲みにいく約束をしていたから早く帰りたいと思っていても、つい上司の顔色を伺って「・・・・はい、・・・解りました」と答えてしまいます。こんな時は、5人の自我状態の中でACの自我状態の割合が高くなっている状態なのです。

このように私達は、無意識に場面場面に合わせてこの5人の自我状態を使い分けて生きています。
無意識に出てくる自我状態は、本人は意識していないので気がついていませんが、長年生きてきた環境や価値観によって、場面にあわせてパターン化されるのが特徴となっています。
■相手とストレスがたまらない交流をするためにはどうしたらいいのでしょうか?
では、次ぎは対人反応の法則のお話をしますね

実はこの自我状態には対人反応というものがあります。これ、どういうことかというと、威圧的なCPの上司に頭から叱られた部下は、無意識にACの自我状態で受け取るといわれています。
ガツン!と言われて、胸がズキン!とするのはACの割合が高くなっているからだといわれています。

ではCPの高い人には、どんなふうに接したらいいのでしょう?
実はCPはやさしい思いやりあふれた母親のようなNPにめっぽう弱いです。
怒り狂ったCPのお客様にクレームを言われたら、どちらの責任かという話はいったん横に置いておきましょう。
とりあえず、相手の気持ちを確かめるのがポイントです。欠陥商品を送られてとても腹がたったのなら、そう感じたお客様の気持ちをくんであげましょう。「そういうものを送られたら嫌な気持ちになりますよね」と気持ちを肯定してあげると、高いCPの数値が少し下がってくるといわれています。
気持ちが落ち着いた後、もし、こちらに非がないのだったら、こちらの正当性をわかりやすく具体的に伝えてあげればいいのです。

逆にACで話しかけると、相手はCPで受け取りやすくなるとも言われています。
上目使いで部下に話しかけれると、何かへまでもしたのかな?とイライラしたりするのは、自分のCPが顔をのぞかせているからです。
客観的で冷静なAで話しかけると不思議と相手もAの自我状態で受け取るとも言われています。

ということは、相手が何の自我状態で受け取ってもらいたいのかを先に考え、そのためには、自分はどの自我状態で話しかけたらいいのか?ということです。
皆さん考えてみましょう。
相手にCPで受け取ってもらいたいのか?
相手にNPで受け取ってもらいたいのか?
相手にAで受け取ってもらいたいのか?
相手にFCで受け取ってもらいたいのか?
相手にACで受け取ってもらいたいのか?

大事なことは、無意識に出している自分の自我状態を理解することです。自分の無意識のパターンを理解しコントロールしていくことが、相手とよりよい交流をしていく最初のステップになります。

さて、次回は自分の自我状態の数値をどうやって図ったらいいのか?その話をしたいと思います。

「人は誰でも5つの私をもっている(自我状態)」
みなさんはどの自我状態の割合が多いと思いますか?
天野 誠子(あまの せいこ)
(有)バランスソリューション代表
自分自身が心理学を学べる教室の運営
ビジネス心理学を活用した研修事業
http://www.balance-solution.co.jp/